曼珠沙華の花束を貴方に

□第十話、ぼくたちのおひめさま!
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「しばらくリコリスを見ていてくれないか?」

ぐったりしたリコリスをつれて帰ってきたパパはそう言った。
パパもやっぱりつかれてるみたいで、オレはあんまりきかないほうがいいかもって思った。

「リコリスをまもるのはオレたちっ!」

オレがそう言ったらパパはあたまをなでてくれた。

「頼んだぞ、一号」

パパがそんなことするなんてめずらしいんだ。
それだけリコリスをたいせつに思ってるんだってオレは思った。
五号がリコリスをパパからうけとると、パパはどこかに行っちゃった。
わるものをころしに行くのかな?

「……リコリス、しんでるのかな」

「やだ!そんなの……」

ぽつりと三号がつぶやいたら、七号がぐすんってはなをならした。

「しんでないぞ、ねてるだけ!」

いちばん上はしっかりするもんだってターレスが言ってたから、オレはつよがった。
ほんとうにしんだみたいにねてるリコリスを五号がじめんにねかせて、オレたちはみんなでリコリスのかおを見てた。
いつおきるかなってそわそわしながら。
そしたらリコリスが言ったんだ。
たぶん、ねごと。


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