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□絆された冷酷
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誰だって服従させて、なんだって思い通りになった、してきたはずだった。
こいつだってそうだった。
……はずなのに。
絆された冷酷
「あー!クウラ様ーー!!」
能天気に俺を呼ぶ馬鹿でかい声。
あいつしかいない。
俺の頭痛の種、***だ。
「なんだ、騒々しい」
振り向けばそこには馬鹿みたいに笑う***がいた。
「クウラ様ってば、ほんっとーに無愛想ですよねぇ。
ニコッとでも笑ってくれたらいいのに、鉄仮面なんだから」
「言いたいことはそれだけか、消えろ」
「いっだああああい!!!」
ころころと笑う***の腰を尾で叩きつけてやる。
……もちろん、加減はしているつもりだ。
「乙女に向かって手をあげるなんて最低ですよ、クウラ様!!」
「手ではない、尾だ。
それに貴様は乙女でもないだろうが」
ふん、と素知らぬ振りをして自室に向かい再び歩き出す。
そうだ、***は乙女ではないな。
「クウラ様の馬鹿!もう知らない!!」
「そうか、それは困ったな」
振り返って止めの破壊光線。
わかってる、あいつはしっかり躱すだろう。
「あっぶなー!!……もう!
嫁入り前の身体に傷がついたらどーしてくれるんですか!?」
どーしたもこーしたも俺には関係ない。
歩を緩めない俺と喚く***を見てドーレとサウザーは苦笑している。
***も懲りないな、とでも言いたげな表情だ。
あいつは……ネイズに八つ当たりする元気があるようだし大丈夫だろう。
……あぁ、腹が立つ。
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