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□逆さまの真実
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彼はいつだって私を愛してくれている。

それは勘違いだったのだ。

永遠の愛なんてあるはずがない。

「これからは永遠に一緒だ、だろ?」

私の大好きな声。

ターレスは優しい声で言った。

私は、憎まれ口ばかり。

「そう言ってくれてたくせに。
いつもターレスは私を置いてどこかに行ってたじゃない」

「……悪かったよ。
本当に愛してるぜ、***……」

久しぶりに抱きしめられた気がする。

あたたかい感触がした。

「私が喜ぶセリフを言う『だけ』のくせに!」

「馬鹿……そんなこと、あるわけねーだろ……」

どん、と彼を突き放す。

「……そう言って、今までだって他の女の所にでも行ってたんでしょ?」

「俺には***しかいねーんだ……だからもう機嫌なおしてくれよ、な?」

「フン、嘘つきなあんたのせいだからね」

「なっ……***!!
俺のために……そんなこと……!」



これで、清々する。

徐々に身体が冷たくなっていく気がした。


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