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□パーフェクト・レプリカ
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新しい朝が来た。希望の朝だ。
小鳥のさえずりで目が覚める。
なんて素敵な目覚ましなんだろう。
軋む身体を無理やり起こしてキッチンへ向かうとそこに広がっていた光景に、見事にその希望をへし折られた。
「ずいぶん遅いお目覚めじゃないか、***」
「おはよう。よく眠れたか?
待っていろ、今ミルクを入れてやろう」
……セルが、ふたり……だと?
パーフェクト・レプリカ
いやいやいや、セルがふたりもいるわけない。いてたまるか。
まだ寝ぼけてるのか?ウェイクアップマイ脳ミソ!!
混乱する私を余所にセルたちは言い争いを始めていた。
「朝はコーヒーと決まっている。
わたしのくせに、そんなこともわからんのか」
「お前はコーヒーだろうが、***はミルクの方がいいに決まっているだろう」
わけがわからなすぎて頭痛が痛い。
「さぁおいで、わたしの子猫ちゃん。
おはようのハグをさせてくれ」
こっ……子猫ちゃん!?
あのいつも私を小馬鹿にしたようなセルがそんな台詞を言うなんて。
……あぁでも……いいかもしれない。
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