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□永遠に君を
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コップの中に食器用洗剤を少しとお水をたっぷり。
先端に等間隔に切り込みを入れて広げたストローでかき混ぜる。
できあがったしゃぼん液は空気を含んで泡をぷくぷく作った。


永遠に君を



窓際に座って外に向かってしゃぼん玉を作る。
洗剤の量が足りなかったのか、生まれてはすぐに消えていく。

「子どものようなことをしているな」

隣にセルが腰掛けた。
差し出した手には 幾つかの梅のつぼみができた枝。
しゃぼん液を置いて受け取った。

「なんで梅?」

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿……という言葉があるそうだ。
だから切ってきてやったのだ」

どこから切ってきたかは知らないけど余計なお世話だろうに。

「アリガトウ、セルサン」

枝をゆらゆら揺らして裏声で喋る。
馬鹿か、とでも言いたげにセルは鼻を鳴らして苦笑した。

「しかしなぜしゃぼん玉なのだ」

「春だから」

セルは首を傾げた。

「春だから、桜も梅も咲くでしょ?
だけどすぐに散っちゃうから、しゃぼん玉に似てると思って」

それで久しぶりにやってみようかと思ったから。
だから、しゃぼん玉。

「ちょっと違うな」

今度は私が首を傾げる番だった。
いったいなにが違うというのか。


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