曼珠沙華の花束を貴方に
□第四話、猛毒警報発令中
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「うるさいなぁもう!
恥かいただけで全然できないじゃん!ラディちゃんの馬鹿!」
「お、俺のせいか?」
「ラディちゃんがやれって言い出したんでしょー!?」
わめき散らしてたら苦笑いだったラディちゃんの顔が、ふと険しくなった。
「フフフ……威勢のいいお嬢さんですねぇ……」
ぞわっと鳥肌が立つような声に振り返ると、そこにはトカゲ?みたいなヒトらしきものがいた。
「フリーザ……!」
「楽しいデート中にすみませんねぇ」
ここへ来て初めて直感で『極悪人』だ、と思った人だった。
慌ててラディちゃんの陰に隠れる。
気づけばいつの間にか、人魂たちはどこかに行っていた。
「そんなに怯えなくても悪いようにはしませんよ」
じり、と近寄るそのトカゲ、もといフリーザ。
「リコリス、俺が合図したらすぐ逃げろ」
視線だけこちらに寄越してラディちゃんは小声で言った。
で、でも私は、ここを落ち着かせに来たのに……
「わかったな?」
「う、うん……」
「よし…………喰らえ、フリーザ!
ダブルサンデーーーッ!!」
何コレ何コレ!?!?
大きな音と衝撃、そして強烈な光。
何してるのラディちゃん!?
あと必殺技なのか知らないけどネーミングセンス悪いよ!!
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