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□絆された冷酷
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ようやく自室に到着。
唯一、俺が落ち着ける場所だ。

「……」


そうだ、俺は誰だって服従させて、なんだって思い通りになったし、してきたんだ。

あいつだって最初はそうだった。

……だが、あいつの能天気な声を聞くたびに、馬鹿みたいな笑顔を見るたびに、
どんどん***にほだされていくのがわかった。
この、宇宙最強の俺がだ。

俺だって***に微笑みかけてみたい。

消えろなんてもちろん嘘だ。
腰をこの尾で叩きつけるのではなく、この腕で抱いてやりたい。

俺の命令を受け、多くの星を破壊し、大量虐殺を行なったお前はもう乙女と呼ぶにふさわしくはないだろう。

知らない、なんて言われて困ったのは本当だ。
行方を眩まされて、嫁入り前の身体に傷をつけられたら如何するつもりだ?


……冗談じゃない。

何処の誰が***を傷つけようと関係ない。
その傷の責任はこの俺が取ってやる。
全宇宙を探してでも、お前を見つけ出してやろう。

これだけはドーレにもサウザーにも、ネイズにも任せられない。


……それにしても腹が立つ。

俺があいつごときにほだされていることにも、***自身がそれを解っていることにも。


あいつのせいで今日も頭が痛い。


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