吸血鬼と海賊少年

□小さい少女は吸血鬼
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『知りたいの?私のこと…………』



アリスは俺の膝に乗ったまま、右手で俺の頬に触れた。



「 アリスが教えてくれるなら…」




『驚くよ?きっと、』




「いいよ。教えて……?」



アリスは目を閉じ、俺の額に自分の額を合わせ放した。



『うん。教えてあげる。神威には』



さっきまでの、悲しそうな目はキラキラと輝く緑色の瞳に変わっていた。まるで、秘密を話すように、綺麗で儚い瞳。









『私、ヴァンパイヤなの…………』









ヴァンパイヤ?ヴァンパイヤってあの血を吸う奴?

驚くよと言われ、準備はしてた。でも、やっぱり予想外のことに驚いた。





「 アリスがヴァンパイヤ?」




何を確認しようとしてるのか分からないけど、一応俺は聞いた。



『そうだよ、あの、血を吸うヴァンパイヤ』





ヴァンパイヤって本当にいるんだ、的なことを思ってニンニクに弱いのかな?トマトジュース好きなのかなとか思ったけどとりあえず アリスの話を聞くことにした。




『私ね、普通のヴァンパイヤと違って特殊な力があって。血を吸った相手に服従するの。』



「服従?」





『そう、元々私は誰にも服従してなかった。でも、闇の世界に売られて、アイツに買われた。でも、直接飲まないと絶対服従ではないからこの首輪で私の力を制限して服従させてるの。』



アイツとは魚頭のことだろう。アイツと言う度は アリス悲しそうな目をする。


アリスが触れる首輪は、普通の首輪とは違い。特殊なものらしい。




『神威が求めていたボディガードは私のことだよ。よく、後始末しろと言われているから』



「そっか、辛いのに話してくれてありがとう。だから、魚頭の所には行きたくないんだね。その服従を解く方法は無いの?」




最初はヴァンパイヤって聞いて驚いたけど、 アリスは アリスだ。ヴァンパイヤだろうとそうでなかろうと変わらない。




『方法は、ある、の。』




アリスは急に言葉を濁らせた。



『他の人に服従すれば、主はその人になり、アイツは私に命令しても意味は無いの。でも………』


利用されるのが、怖いのだろう。




俺の服を アリスはキュッと掴む。
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