吸血鬼と海賊少年
□俺の彼女は吸血鬼
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「 アリス? 」
『あの、ね。今日は、指先でいいよ?』
俺の彼女は吸血鬼だ。まぁ、彼女と言っても本人は自覚なしで困ってる。
吸血鬼はあの歴史通り血を吸うらしい、 アリスも俺の血を吸う。
昼頃か、寝る前、週一の期間で吸う。
血を吸われた後は、正直熱っぽい感じだ。
「指じゃあまり吸えないんじゃない?」
首筋は血管が沢山通っている。指先なんかよりそっちの方がいいはずだ。
『指でいいの。』
アリスはそれだけ言うと俺の右手を両手で包みこんだ。
そして、俺の人差し指を一本だけだすと、ペロッとその指先を舐めた。
「ん、」
アリスは血を吸う時、必ず噛む場所を舐める。
急に来た、舌の感覚に驚いて思わず目をぎゅっとつぶった。目を開くとさっきと違い、羽と尻尾が出ている。
少し開いた口から尖った歯が見える。
「ん、、」
かぷっという効果音が付くように噛みついた アリス。
一方俺の方は、指先からどんどん力が入らなくなった気がしていた。
その代わりに指先から、手、腕、体、というように体がどんどん熱くなりはじめた。
どれくらい吸われたのか、ペロッという感触で我に返った。