吸血鬼と海賊少年

□小さい少女は吸血鬼
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「俺は?」


『え?』


「俺を主にする?」



ふと、思いついた。


アリスをこのまま魚頭の元に帰すのはなんだか、イライラするし。俺以外の奴に アリスが服従するのにもイライラする。



なら、俺が アリスの主になればいい



「俺はどうやら、 アリスを気に入ったらしくて魚頭にも、他の男にも渡したくないみたいなんだ。 アリスは俺が主じゃ、いや?」



アリスはニコッと笑った。



『ううん!神威が主なら私も嬉しい!』



また、首に手を回し抱きついてきた アリスはさっきとは違いとても嬉しそうだ。



こっちまで、ドクンドクンと胸が跳ねる。



『神威、最後にもう一度聞くよ?私の主になるってことは血を吸われるんだよ?それでも、いい?』



少し心配そうな顔で聞いてくる アリス可愛いと思ってしまうほど、俺は重症なのかも。


ロリコンじゃないのになぁー




「いいよ。 アリス。好きなだけ吸いなヨ」



首元のボタンを2、3個外し、吸いやすくする。



『痛かったら言ってね?』



そう、 アリスは俺の耳に囁くと俺の首元に顔を埋める。


ペロッと舐められた。



思わず体が跳ねる。



でも、直ぐに牙らしきものが入ってきた。



痛いというよりは、何かが体にはいってきてむず痒いというか、そんな感覚だ。



「んっ、」



血を吸われているという感覚が来たと思うと、不思議な感覚が現れた。



体が熱く火照ってきて、吸われている場所が熱くなる。




初めての感覚に目を閉じていたが、慣れてきて、うっすらと目を開けた。



そこには、俺と同い年くらいの、体つきの アリスがいた。



背も伸び、髪も伸び、女らしい体つきの アリスに俺は小さい アリスよりもドキドキする。



背が伸びたせいで、服は少し小さそう。


服従の首輪も真ん中から裂けている。



でも、一番俺の目に写ったのは、 アリスの背中から生えてるコウモリみたいな翼と、腰辺りから生えてる尻尾だった。



アリスは本当に吸血鬼なんだなと思ってしまった。

気味が悪いとかそういう意味じゃなくて、嬉しいとか良かったとかなんか安心した。
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