moon

□real, lie, truth. 2
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『そう、だから____』


『………。』





「…知念?」


「……、ん…、うん、」


「…ふ、ねむい?」


「……ぅん…、」





こく…、こく…と船をこぎだした知念の手から台本を抜き取った。首とひざ裏に手を入れて小柄な体を持ち上げる。





「ん…、りょー…すけ…」


「ちねん?」


「………ぅ…ん、」




寝言…?

夢の中でも俺と一緒にいてくれてんのかな





起こさないようにゆっくり知念の体をベッドに倒す。毛布をかぶせたらすぐ猫みたいに丸まった。




「…っふ」




黒くて柔らかい髪を撫でてやる。
ちゅ、と額にキスを落とした。





さ、俺はもうひと踏ん張りだなー…


リビングに戻ってもっかい台本を手に取ったらスマホが光ってんのが目に入った。



『着信履歴1件』





「……圭人?」



珍しいなあいつから電話とか…、

かけなおしてみるか、






truuuuuuu,,



1コール、2コール、




『っっもしもし?』


「あぁ、圭人?電話くれた?」


『あ…っ、うん、かけなおしてくれたの?』


「うん。大した用じゃなかった?」


『ん、うん。』


「そ?…あ、あのさ、こないだまたいいカフェ見つけたんだよね。今度行こうよ。」


『…っ!行こう!』


「うん。またちゃんと予定出たら言うからさ、うん、じゃねーおやすみ。」







よし、やるか…、

時計の針が進む音だけが響く夜だった。
 

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