orion
□となりで。
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開けてやったドアから、少し風で髪を乱した知念が入ってきた。
「ただいまぁ」
「っわ、なんだよ、(笑)」
てっきり通り過ぎてリビングに直行すると思ってたのに、知念はもぞもぞと腕の中に入ってきた。
その仕草がなんか久しぶりで可愛くて、つい抱きしめ返しちゃう。
甘いな、と自分でも思う。
「りょーすけー」
「んー?」
「なんかひさしぶりだね」
「昨日も会ったじゃん(笑)」
「二人っきりはひさしぶりだよぉ」
「そう、か…?」
あれ、こないだのあれはいつだったっけ?
頭の中でカレンダーを遡ってたら、言いだしっぺの知念はもうとっくにその話題に飽きてたみたいで。
気付けば腕の中から、む、と口を突き出して俺を見てる。
「ん?」
「ちゅー。」
「はいはい、ちゅー、な」
柔らかく突き出された唇に、ねだられるままキスをした。
プチュ、チュ…チュ…
何度か触れるだけのキスを繰り返す。唇が合わさる度にリップ音がこぼれていく。
「ン……、りょうすけ…」
いつもの声もかわいいけど、キスしたときに出す知念の声はもう、比じゃないぐらい甘くて。
舌足らずなその声に名前を呼ばれて、理性が保てた試しがない。
「っ知念。ベッドかソファ、選んで」
「んー……ソファ。」
「…っ、分かった」
首に腕がまわされたと同時に軽すぎる体を抱き上げて、リビングに直行。ホントはシャワー浴びたかったけど後で一緒に入ればいっか。
ソファに下ろしてすぐ押し倒しちゃった俺を見て、知念は「しょうがないなぁ、」って笑った。
そう、しょうがない。
だって相手が知念なら誰だってそうなる。
こんな顔、誰にも見せないけど。
「んっ…。ぁ…はぁ…涼介、焦りすぎ。」
「ごめん。我慢できね、」
「いいよ…んぁ…っ、もっと、しよ…」
「〜っ…どうでもいいけど、お前そういうのどこで覚えたの?」
「ぅ、あ…そ、ゆの、って、なにが?」
「…はぁ…、もういい、」
恍けてみせるのを責める余裕さえない。素肌を遮るものは全部剥ぎとって、胸の突起に歯を立てた。
途端に「んぁ…っ」って甘い声。
加虐心が掻き立てられて、ひどく頭が熱い。
「声、もっと出せってば」
「ん…っぁ…いたいよ、涼介の、ばか…、」
「痛いほうが感じるくせに。ここ、噛んだら体ビクッてすんじゃん」
「ちが…、ぁん…ッ///」
赤く尖り始めた突起をかぷ、と歯で挟んだら大袈裟なぐらい声をあげて腰を浮かせた知念。
舐めては吸い上げて、甘噛みしては舌で転がして。俺の唾液でそこが濡れる頃にはすっかり知念は溶けてしまっていた。
「ぁ…っ、あ、ん…//りょう、すけぇ…」
「っは、ん…。知念、脱がすよ。腰上げて」
「ん……、ぁ、はぁ…。」
下着を脱がしたらトロトロと先走りを垂らす知念の自身が露わになった。
もうそれだけで眩暈がして、体中の血が逆流でもしてんのかってぐらい熱くなる。
「も…、そんな見なくていいよ…。///早く、つづき…、」
我慢しきれないのは知念も同じだったみたいで、力の入らない手で俺のベルトを外してきた。
俺もそれを手伝って狭いソファの上でなんとか全部脱ぎ終えた。
「はぁ…っ、りょうすけ…はやく、」
「まてって、なんか濡らすもん、ねぇと…」
「いつもの…は?」
「ベッドんとこ。取ってくる…」
「もういいよ…、なくてもへいき…」
でもまださすがに知念のそこは受け入れられるほど柔らかくない。
本能に任せて傷つけることはしたくなかった。
「知念、足。俺の肩にのせて」
「んぇ…?なに、」
「いいから。」
担ぎ上げた脚をぐ、と胸まで倒して。まだ閉じたままの蕾に唇を寄せた。
何度かそこに口づけてからゆっくりと舌を差し込む。知念の体ががくんとソファから浮いた。
「っひぁ…ッ!!ぁ、ん、あ…っ!
涼介、りょうすけ…そ、れ、だめ…っ///」
「んっふ…、だめなことねぇよ。濡らせねぇと入れらんない」
「で、もぉ…っ、それ僕、好きじゃな…っぁあ…っ///」
舌を固くして抜き差しするたび、熱い中が収縮して知念の自身からは先走りがとめどなく溢れていた。
「ぁ、ぁ…っあん…っや、や…っ涼介、舌、やめ、て…っ/」
「…っは、ぁんで…?」
「い、ィっちゃう、イきそ、だから…っ//」
「イけよ、だめとか言ってねぇじゃん…」
「やら…涼介、りょうすけの、で…イきたぃ…。///」
「〜〜〜っ…お前なぁ、」
結局知念の仕掛けた罠に嵌ってしまう俺は、相当なばかだ。
「涼介…もう、十分だから…はゃく…//」
「っ……、息止めんなよ、っ」
しどしどに濡れた蕾にちゅく、と先端を押し当てたら、それだけで吸い上げるみたいに知念のそこがヒクヒクと震えた。
「ぁっ、あ…っも、焦らさなぃで、よぉ…っ」
知念の声を合図にズルッと一気に奥まで貫いた。キツすぎる締め付けに体を全部持ってかれる感覚。
「っ…く、っ…ぁ…っ」
「ぁあア…ッ!!ひ、ぅあ…ッぁ、あ…!」
ピシャッと胸元に濡れた感覚がして、見れば知念は白濁をまき散らして絶頂していた。
しなる背中に腕を差し込んで、抜けるぎりぎりまで退いてまた奥まで突きこむ。
最奥にぶつかる度、「んぁあ…っ♡」って切ない喘ぎ声が知念の口からこぼれる。
「ぁんッ…あ…は、そ、こ…あッ…!」
「ん…、ここ…?」
「ひぁッ〜…!そ、れ…っ…!!
そこ、ごりゅ…って、して、もっと…っ」
「っは…こう、な…ッ」
「ふぁあア…ッ♡ぁ、あ…きもちぃ…っ、
あ、りょうしゅけぇ…ッ///」
言いつけ通り、そこに集中して腰を振ったら知念の足がピン、と張って体が大きくしなり始めた。
もう絶頂が近いシルシ。
「ぁ…ッちねん、イきそ…?」
「ん、あ、あぁあ…ッぃ、く、りょうしゅけ、イくぅ…っ!!」
「…ッふ、ッ…く、ァ…っ!!!」
「__っひ、ァ、ふぁあァ…ッ〜〜♡」
尿道をせり上がる熱を感じて、ドプッと知念の中に白濁を吐き出したら、それに押し出されるようにして知念も最後の絶頂に達した。
「ァあ…っぁ、あ……っ」
「は、はぁ…っは…は…っ」
「はぁ…ッぁ、りょう、すけ…、」
「っは…キツ…っ、はぁ…ッ」
ゆるゆると弛緩し始めた知念の体の上にばふ、と倒れ込んで息が整うのを待つ。
「はぁ……、ちねん…だいじょうぶ…?」
「ね…?ひさしぶり、だった、でしょ…?」
「え?ぁあ…(笑)そう…、だな、」
「涼介、すき……だいすき…りょうすけ…。」
うわ言のようにそう何度か呟いた知念は呼吸するように眠りに落ちた。
「おれも、すきだよ……。」
ぐったりと力の入らなくなった体で、もう一度、知念を抱きしめる。
窓の外にはぽっかりと月が浮かんでいた。
fin.