orion

□好青年と小悪魔
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純白のドレスに散りばめられたレースが照明を反射する。

ゆるやかに巻かれた明るい短髪が普段はつけないピンやティアラに彩られている。




鏡に映る自分を見てふっと息を吐いた。





「(へいじょうしん…へいじょうしん…。)」




薔薇の華をかたどった彫刻があしらわれてる鏡台の前に座ってから、何度そう思ったことか分からない。



けれど心臓は高鳴ったまま。時間が過ぎれば過ぎるほど、高まる緊張。


シルクの手袋に包まれた手をきゅ、と結んで震えそうになる指に力をこめた。






コンコン__



「はい…、」


式場の人かな、と背後の白いドアを振り返ったら、







「…!ゆうと…、」


白いタキシードに身を包んだ長身がすらりと立っていた。




「…えへ、来ちゃった。」

「来ちゃったって……ここ立ち入り禁止だってさっき、…っわ、」



胸元に添えられたチーフが目の前に来たときには既に裕翔の腕の中だった。

セットした髪を崩さないように慎重に抱きしめてくれる。



鼻を寄せた首筋から、コロンに混じっていつもの裕翔の香りがふわりと香って、今までの緊張が嘘のように消えていった。





「式まで顔見ちゃ、だめだよ裕翔…」

「ごめん。我慢できなかった…」




消え入りそうな声で呟かれて、きゅ、と胸が苦しくなる。




背中にまわった腕が少しゆるめられて、そっと顔を覗き込まれる。




「やばい涼介………まじで、かわいすぎ、」






そう言ってす、と近づいた薄い唇に寸でのところで指をあてた。




「裕翔、だめだってば、誓いのキスは式でしないと…」

「……うあー!もう!早く始まってほしい…!」




悶えてみせる裕翔がおかしくて笑ったら、また腕の中に逆戻り。






「口にはキス、しないから…こうしてちゃ、だめ?」

「い、けど…もうすぐ式場の人、来ちゃうよ…//」

「それまで。ってかやっぱ2人だけで式挙げたらよかった…こんなかわいい涼介他に見られるとかマジでやだ、」

「でも裕翔いろんな人に祝福してもらいたいって言ってたじゃん」

「そうだけどー!」




言いながらぎゅうぅ…と強く抱きしめられて思わず笑みがこぼれる。




かわいいのはどっちだよ、もう。





「ね、唇にはしないから、せめて口の端にしちゃだめ?」

「…っだめ!!///そんなことしたら余計に我慢できなくなるだろっ」

「じゃあ、ほっぺた!お願い!」

「〜っ…//だぁーめー!裕翔、もう…困らせないでってば、//」




俺だってしたくないわけないのに、そんなこと言われたら許したくなっちゃう。


俺のことを抱きしめたまま、耳元で「おねがい…」と何度も甘く囁いてくるからどうしようもなくなって、




「〜〜っ…//…っもう!」


ちゅ。




背伸びをしながら襟を引っ張って、裕翔の頬に唇を乗せた。





「…はい!//これで我慢して…!//」



ほっぺたにキスなんてたいして恥ずかしいことでもないはずなのに、なんでこんなに照れてるのか自分でも分からない。


赤くなった顔を見られたくなくて背を向けたら


「やーばい!今の涼介超かわいかった!もっかい、もっかいして!!」

「…!///っちょ、髪、かみ崩れるってば…!裕翔っ…!///」




ドアの向こうの係の人が裕翔を探しに来るまであと、少し。





__________

_______




____















「病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで永遠に互いを愛することを誓いますか。」



「「誓います」」




「それでは、誓いのキスを。」






目の前にかけられたベールに裕翔の手が振れる。

膝をかがめれば、ゆっくりとそれは背中にまわされて視界が広がった。





ふわりと優しく微笑む裕翔。

つられて俺も笑ったら、そっと頬に手が添えられて。





やっと、ゆっくり、唇が重なった。







fin.


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本っ当に作者の自己満以外の何物でもございません…。更新停滞中のお話やリクがまだあるにもかかわらず申し訳ありません…。。放送を見て滾ってしまいました…気が済んだら消します…
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