moon

□甘くとろける
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「ちねーん」


「………。」


「ちねん?」


「………。」


「おーい、知念って。」



「…………。」




無視か。

まぁ、わかってたことだけど。



俺に背を向けて一向に返事もしない。
体を重ねた日の翌日の朝はいっつもこう。


恥ずかしいのか眠いのか分かんないけど
なんかいつもより冷たくすんだ。



まぁそれも長続きしたためしなんてないけど。



「ね、ちねん?」


「………。」


「ほら。ゆうり。」



俺の中で最大限の優しく甘ーい声で呼びかけても効果なし。




「ゆうり、起きてる?」


「……寝てる。」


「起きてんじゃねーかよ。」



はは、って笑ったら
ふいに知念の体が翻って 突然俺を振り向く


その反動でシーツが俺の肩から落ちた



「っちょ、さむ……」



シーツを上にあげようとしたら知念がぐっと俺を引き寄せた


そんなほそっこい体のどこにそんな力あんだ



「ぅわ、なん…「涼介、」



引き寄せられるまま任せたら
たどりついたのはやっぱり唇



ちゅく。と効果音みたいなリップ音


舌を絡めてこぼれそうになる唾液を口の中で混ぜる




「ん、ん、……ぁ」



俺から声が漏れたのを聞いたら
満足げに唇を離した



なんなんだ、いったい



「知念、すき。」


「え、僕はそこまでじゃ」




………はぁ。

まぁこんなのも悪くないか。




fin
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