moon

□xxx...
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それはすこし前の話。




「________で、話って?」






こと、とラグにマグカップを二つ並べた。

立ち上ってる湯気が混ざり合ってひとつになる。




いつもは広いソファにくっついて座るけど
その日はなんでか床で距離を置いて座ってて。



せっかく時間合ったんだからもうちょいくっつきたい、
ぐらいにしか考えてなかった馬鹿な俺。



「んー…うん。」


「なに?言いにくいこと?」


「いや、ううん。あのねやまちゃん、」






俺今度、映画の主演はることになった。







そう聞いて、ぱっと思い浮かんだのはなんだったっけな。



「…まじで!?よかったじゃん!」



話を聞けば俺たちの先輩が書いた小説の映画化。
俺が過去に共演したことある人も出てたりして
おまけに主演がゆうてぃなら数字が取れるのも必至なやつ。




「おめでとう、ゆうてぃ」





そこまでは、よかったと思う。
素直に、ゆうてぃの頑張りが認められたってことを喜べてたはずだから。




「ありがとう。でもさ……」


「ん?」


「俺たぶん________」







もーばか。
いやばかは俺か。



そんなこと直接知らせてくれなくたってどうせ新聞で報道されてたよ。



そう言ったら




「やまちゃんには直接言っておきたくて、さ。」




なんて、超大人な発言かましちゃって。









そんなことされたら俺まで大人になんなくちゃいけねーじゃん。





「________そ、か!俺は気にしないから、がんばれ。」








あぁ、間違えたな、ってどこか遠くで思った。
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