orion
□sweet kiss, caramel hug.
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「ねーりょうすけ、ここどうやるの?」
「ん?貸してみ、」
コントローラーを握った手からするりと力が抜けて俺の手を覗き込む侑李。
「ここ押しながら…。こう」
「おーー。ありがと」
ふふ、とほころぶように笑うからほとんど無意識に髪を撫でたらぺち、と手の甲をはたかれた。
「なんだよ。」
「……お触り禁止。」
「こんなのもダメなのかよ!?」
「だめ!!今日はだめ!」
「………はぁー…。」
頑な態度にいっそため息が出る。
当の侑李はゲームに釘づけ。俺のほうを見もしない。
侑李は昔から頑固なところがあるけどこんなのは久しぶりだ。
そんなに俺に触られんのがいやなのか…?昨日はあんなに気持ちよさそうにしてたくせに。
理解ある恋人でいたいのはやまやまだけど、ここまでされたらさすがに黙っていられない。
「なぁ、侑李、」
「んー?なに、___っん」
テレビ画面に向いたままだった顔をこっちに向かせて唇を重ねた。
咄嗟に押し返そうと(殴ろうと?)上がった手を掴まえて離さない。
「っ…!!やだ!!っ……//」
キスなんてそれこそ何百回としてるのに、何度しても甘い感触を味わいたくなる。
嫌がる侑李を無理矢理ソファに押し倒してキスをした。
「や、ん…っ!やだ、ってば、涼介…!」
「っは…なんで?納得できる理由言えよ」
「っだから、それはさっきから何回も、っぁ…!///」
「じゃあなんでそんな反応すんの?」
「〜〜っ…!ぃ、や…!涼介、やめて!」
「やめない。侑李がちゃんと言ってくれるまでぜってーやめない」
「やぁ…っ、っ…んん…ッ」
Tシャツの裾をたくしあげて、さっきベッドの中で触れた突起に今度こそ噛みつく。もうそこは面白いほど素直に尖って固くなってる。
ばたばたと暴れる侑李の手を頭の上でひとつにまとめて、空いた手でベルトを外す。
金属音に慌てたけどもう遅い。下着と一緒に剥ぎとったズボンをソファの下に投げ捨てた。
「や、いや…っ涼介、ぉねが…んぁッ…」
「いやなら、もっと嫌がってみせろってば。そんな声出して、誘ってんの?」
「ち、が…ぁう…っは、は…だめ…っ」
「だめだめ、って…なんで?」
「〜〜っ……。っぁ、いた…ッ」
「言えないなら、このまま続ける」
「だめぇ…っ涼介…りょぉすけ…っ」
甘噛みするたび、びくんと震える腰。
ぽろぽろと零れる涙がクッションを濡らていく。泣かせたい訳じゃない。本当のことを言ってほしい、ただそれだけなのに。
散々舌で弄った突起は俺の唾液で濡れて、赤く腫れぼったくなってる。
無意識なのか、微かに揺れ始めた腰をなぞり上げたら抑えきれない声が出た。
「〜っんぁ…!///」
「その声。んな声出すのに、やめてほしいの?」
「〜〜…っぅぅ…〜っ、」
「なぁ、侑李、ちゃんと答えて…」
「っ、っ……、/」
「……ぁっそ。じゃあ、」
「っひぅ…!ぁ、らめッ…んぅあ…ッ!!」
すっかり勃起した侑李のそれを咥えてキツく吸い上げた。がくん、とソファから腰が浮く。
敏感な先端を苛めるように何度も舌で撫でて、じゅぽじゅぽと音が出るほど扱く。侑李からはひっきりなしに声が漏れた。
「っあン…ッぁ、やめ、りょうしゅけ…ぁあッ…」
「はっん…ふ…ん…」
「ふぁあ…っらめ…っや、だぁあ…っぁん、あ…!//」
「だせよ、ほら…っ」
「ぁ、ぁ、あ…ッ!ふぅあぁ…ッ///」
トドメとばかりに思い切り吸い上げたらギリギリまで背中をしならせて絶頂した侑李。ビュルッと迸った白濁が喉の奥へと流れ込む。
咳き込みそうになるのをなんとかこらえて飲み下した。
「っは、はぁ…っは…。」
「〜〜っ…ぁ、あ……。」
「侑李、すきだよ…。」
「っ……//」
「好きだから、こんな風にしたいって思うんだよ…」
「……ゎ、かってる、ょ……、」
「…じゃあ…、」
「僕の、からだ…。」
「え?」
「僕の体だけが、好きなのかな、って……。」
ほろり、零れた涙が頬を伝った。
それを拭ってやったらすりと頬を寄せて甘える。
「最近…会っても、えっちばっかりして…涼介、全然話しないし…。」
「……ばっか、って…そんなこと、」
「あるの!だから僕、ずっと…体が目当てなのかなって、思って…」
「だから今朝、やだって言ったの?」
「だって……。こういうことするためだけに付き合ってるのか、確かめたくて…。涼介も嫌がらずにしてくれたら、僕の勘違いだったって…分かると思って、」
「……ばか。体目当てなわけねぇじゃん。」
「〜〜っ…だって、だって不安だったんだもん…っもし、もしそうだったらどうしようって…」
うえぇん、と泣き出した侑李を抱きしめてキスをする。
しゃくりあげる肩も、涙を止めようとする手も、泣き顔も全部好きだよ。
「すきだよ、侑李。体だけじゃなくて、全部。」
「ぅん…。ぼくも、すき…、涼介…すき…」
「よしよし、泣かせてごめんな、」
きゅ、と抱きしめた体が壊れてしまいそうで怖くなる。
「涼介…つづき、して…?」
「…いい、の…?いやなら、今日は、」
「ぅうん…もう、だいじょうぶ…。不安なことなくなったから…。それより、もっとちゃんと確かめたい…。」
そう言ってちゅ、ちゅ、とキスをしてくる侑李。俺はもうそれだけでたまらなくなって、衝動のままに侑李の中へと押し入った。
「ッ…!き、つ…っ」
「ふぁ…っぁ、ぅあ…っ」
「〜っは…侑李、息吐いて、ゆっくり…」
「ん、は…っはぁ…っ」
「そう、上手…。奥、いくよ…?」
「ん……き、て…涼介…。」
「っ…!」
ズチュ、と最奥まで飲み込まれた俺のが侑李の中でどくどくと疼く。
ゆっくりと腰を引けばそれだけで極まってしまいそうなほど強い快感が襲った。
「っつ…ぁ…ッ」
「あぁう…っ涼介、ぁ、ん…ッきもち、いぃ…っ」
「ん、おれも…。侑李、動くよ…」
「ん…っ…ぁ、ふぁあ…っ」
がつがつと腰を振る度ギシ…ッと軋むソファ。覆いかぶさった体勢のまま、唇も繋げて熱い口内を貪るようにキスする。
上も下も繋がる感触にどんどん熱があがって耳元で溢れ続ける侑李の嬌声にぶるりと体が震える。
どうしようもなく好きで仕方なくて、なのにひとつも言葉にできない。
すきだ、って伝えるかわりに指を絡めて最後の突き上げに入る。
とろとろと止めどなく先走りを零し続けてる侑李の自身を握って腰の動きと一緒に上下に扱く。途端にキツくなった締め付けに俺もたまらず喘いだ。
「ぁあ…っゆう、り…ッ」
「ひゃぁう…ッぁ、ああ…っ
ら、め…っでちゃ、ぅ、涼介ぇっ…//」
「〜ッ…ぉれ、も…、っく…!」
「ぁ、あん…ッ…ぁあぁ…っも…イく、でちゃぅ…ッ」
「っくー…っ!」
「ぁ、あ、んぁああ…ッ!!!///」
俺とほぼ同時に侑李も達して白濁を吐き出した。
息も整わないうちにどちらからともなくキス。いかげん唇もヒリヒリする。なのにやめられない。
「「すき、」」
唇が離れた一瞬にこぼれた声が同じで思わず二人して笑う。
軋むソファの上でお互いの体を抱きしめ合った。
fin.