Unknown

□Result
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T
やわらかな陽光が降り注いでいる。


「つわはすさんさぁ。なんかレトさんの事好きだよねぇ。」
それは、いつもの様に四人で遊んでいた時の事だった。たまには、という事で実況はせずに、和気藹々と遊んでいた。
「ばか。そんな事ねぇよ。」
そんな事ある訳無い。だって自分が一番好きなのはpーpなんだから。今のは嫉妬してくれてるのかな。なんて、浅ましく期待してしまうぐらいに。でも自分は臆病だから、その事を告げてpーpに嫌われてしまうのが怖くて、ずっと隠している。
「すぐレトが死ぬから、面倒見てただけだっつーの。」
「あー!つわはすさんひどい。」
本当はレトは年上の筈なのに、こうして頬を膨らまして抗議して来る様子は何だか子供っぽくて、どちらかと言うと弟みたいな感じだ。
ふわふわしていて何かと可愛いので、もし弟に貰うとしたらレトさんが欲しいなと考えた事もあるくらいだ。レトさんの方が年上だが。
「いやいやいや。つわはっさん絶対レトルトの事好きっしょー。」
何かというと厄介事を起こそうとするこいつ一キヨはいけ好かないし、それに…
不味い。絶対顔が赤くなっている。頭を振って誤魔化したい。一体自分は何を考えていたんだろうか。
一一pーpには、恋人になって欲しい。だなんて。
「うおっ。つわはす、なんか顔赤くねぇ?え、まじ?まじでレトルトのこと好きなの?」
「ちょっ。キヨくんからかい過ぎやって。つわはすくん困っとるやろ!」
「んー。照れなくていーんだよお二人さん。別に二人がそーゆーシュミでも、俺受け入れるからwwwカップル同士仲良くやりなよ。」
馬鹿馬鹿しくなったので、騒いでいるキヨを放って置いて、ゲームに戻る。一一戻る?
画面には大きく、
[ゲームオーバー]
の文字が輝いていた。


自分から言い出した事とは言え、随分盛り上がってしまった、とpーpは思った。正直、ああまでキヨくんが騒ぐ事は予想外だった。どこか他人事の様にゲームをプレイし続ける自分の手で、無事ステージの終盤まで来た。その時ふと、キヨくんの
「カップル同士」
と言う声が耳に入って来た。
一一カップル?
その一言に不快感を感じた。まるで、ぽつん。と突然何処からか落ちてきた水滴みたいに心に広がっていくようだ。いや、何処からか落ちてきたのではない。それは遥か前から自分の心の内にあったもので、ただ今まで気付かなかっただけなのだ。
一一その感情は、恋慕。だ。
pーpはただ、何故だか静かな自分の心を訝しげに眺めていた。
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