Unknown

□Result sequel
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Result sequel

「子供とか、出来ないかな。」
「は?」
僕は思わず自分の耳を疑ってしまった。
「だから、子供。」
「一応聞いておくけど誰と誰の?」
「決まってんじゃん。俺とpーpとの愛の結晶だよ。」
「できる訳ないじゃん男同士なんだからさ。いきなり何を言い出すの。」
僕は呆れつつ言った。
するとつわはすさんは長い溜め息をついて俯いてしまう。
「まあ、俺が産むし育てるから。」
「普段僕に突っ込んでるのにつわはすさんが産むの?」
というか無理だろう。
男性の妊娠。可能性としては腸膜のあたりか。しかしそもそもの仕組みが…。実験するには…。
「pーp。」
器具の生産…。巨額の費用…。「pーpー!」
いきなり肩が掴まれ、ゆっさゆっさと前後に揺らされた。
「聞いてなかったでしょ?」
「うんごめん。」
僕が正直に答えると、つわはすさんはがっくりと肩を落とした。
「いや、うん。なんていうか、俺とpーpとの繋がりがないじゃん。物質的な。」
「それで子供が欲しいと?」
「うん。」
…。
「物か…。」


「後ろ向いて。」
pーpはごそごそとそこらを漁っていたかと思うと、何かを手に持ちながら俺に後ろを向くように言った。
俺が素直に後ろを向くと、首に何か冷たい物が触れた。
pーpの細い指が離れていくと同時に首に僅かな重みが加えられる。
「これ…。」
首にかけられたのは、金のシンプルなデザインの台座に埋め込まれた深い森を思わせるような緑の宝石と、それに通された金の鎖。
「ネックレス?」
「母さんが、将来結婚する人に贈りなさいって言ってて。指輪じゃないのは我慢して。」
「それって…?」
俺は宝石を指でそっと摘みながら問い掛けた。
「物で欲しいんでしょ?」
答えるpーpに、その意味をようやく知った。
「いや、大切な物じゃ…。俺なんかが貰って良いわけ?」
「つわはすさんなんか、じゃないよ。つわはすさんに貰って欲しいの。今の会話の流れも、ほんとは切っ掛けみたいなものだし。ずっとつわはすさんに貰って欲しかったの。受け取ってくれないかな。」
pーpは照れ臭そうに顔を赤くしながらも、決して俺から目を逸らそうとはしなかった。
pーpの真摯な瞳に俺はその言葉に一つも嘘がないことを知る。
「あり、がとう。」
そんなつまらない言葉でしか返せなかった代わりのように、俺はpーpにそっと口付けた。いつものような深いキスではなく、ただ触れるだけ。




あとがき

Result後日談という形になります。
流石に指輪はサイズの問題とかあるしな…。とか思いまして。
子供の所の云々は思い付きです適当です。
現実だったら無理です少なくとも今の技術では多分。
ビアンだったら何とかなりそうですけどね。
文中では削ったのですが、pーpが男なのにネックレス受け継いだ理由は女の子の縁者がいないから(という設定だった)。
ただ1000字(携帯のメモ帳の文字数)に入れるのは無理だった…。
最近メモ帳が圧迫されてきてまして。本当にやばい。

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