Unknown
□Sulk
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Sulk
つわはすさんお気に入りのBGMの音が、彼からのメールの着信を知らせた。
:ぴーちゃん大好きー。:
ただ一言だけが書かれた画面を見て、僕は絶句する。
胸中をよぎる思いは……
ーーまたか。
実況の誘いとか事務連絡とか近況報告とか、そういうメールに紛れていきなり届くので正直心臓に悪い。
今まで何回もあった事なのに全然慣れないのは、僕もつわはすさんの事が好きだから。
だいぶ前になったあの日、喫茶店に行った帰りで思いがけず彼の告白を受けた。
僕はその時は逃げてしまったのだが、その後ちゃんと自分の気持ちは伝える筈だったのだ。
なのに、それ以来つわはすさんはこっ恥ずかしい口説き文句を連発するようになり、チャンスを逃す事数週間。
だって、言える訳ないじゃないか今更好きだなんて!
そうこうしているうちに、なす術もなく(pーp主観)時は過ぎていったのだった。
それに、理由はそれ(口説き文句という妨害)だけという訳では無かった。
好きだ好きだとは言われているものの、愛している。とは言われた事がないのだ。
別に不満だとか足りないという訳ではないが、ただその一言が無いのが面白くない。
愛している。とか言われたら、躊躇わずに返事ができるのに。
「ぴーちゃん大好き!」
「ああはいはい、わかったから離れて……。」
正面からいきなり抱きつかれて、心臓が止まりかけた。
最近のつわはすさんは予測不可な行動をしてくるから、本当に心臓に負担がかかる。でも、嫌では無いから困るのだ。
「付き合ってー。」
「つわはすさん。」
「ん?何、了承の言葉?」
「いや……。」
僕は、唐突に単刀直入に切り出した。
「つわはすさんさ、いっつも好きだ。とは言ってるけど愛してる。って言ってないのはなんで?」
そう聞くと、つわはすさんは驚いたようにしながらも、即座にこう返した。
「愛している。とは違うから、かな。」
てっきりはぐらかされるものとばかり思っていたので、自分から聞いたのにもかかわらず予想外な返答に戸惑い、身構える。
「え、じゃあ……、」
言いかけた僕を制して、つわはすさんは続けた。