Unknown

□Result
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U
「あれ。ゲームオーバーや。pーpミスったん?珍しいな。」
レトの言葉にキヨが大袈裟に反応する。
「えっまじで!pーp死んだの?ありえなくね?ステージ2だろ?」
「pーpだってミスることぐらいあんだろ。あんまり騒ぐなよ。」
俺は、本当は自分もかなり驚いている事を隠して答えた。
「でもなんかpーp顔色悪いんやない?休まんと。」
ちらっとpーpを見てみると、なる程レトの言葉通り、元々白い肌が更に白くなっているみたいだ。
その様子を眺めているのが何だか恥ずかしくなって思わず目を逸らしてしまう。
「え、だいじょぶだよ。」、とpーpは答えたが、レトが半ば無理矢理にpーpをベッドへと連行して行った。
キヨが流れていたうるさいゲームのBGMの音量をさり気なく下げる。そういえばこいつは意外と細やかな奴だった。
一一それに比べて俺はどうなんだ?
pーpの事を全く気遣え無かった自分の不器用さに無性に腹が立ち、一言、便所。とだけ言い残して部屋を後にした。


俺はおおいに焦っていた。何とかしてキヨくんの暴走を止めなくては。何故なら俺は、pーpがつわはすくんに好意を抱いているのを知っているから。それは、友達に向ける好意とは明らかに種類の違ったものだと思う。人付き合いのいいpーpだけど、つわはすくんは何ていうか、特別だ。
つわはすくんは、pーpの事を気にかけてはいるみたいだけれど、友達としてなのか、思い人としてなのかが曖昧なところだ。彼は感情を隠すのが上手い。
だが、普段から感情を表に出さず、その分周りを良く観察している彼の事だ。実は既にpーpの気持ちに気付いているのかも知れない。
まあ、今はともかくキヨくんを止めなくては。じゃないと俺の命が危ないし。


つわはすさんが部屋を出て行くのが見えた。ああ、やっぱりつわはすさんは僕のことなんて好きじゃ無いんだ。だって僕の事が好きだったらきっと、心配してずっと傍に居てくれる筈だもの。pーpは誰にも気付かれ無い様に、諦めのいろに染まった溜息をそっと吐き出した。
やっぱり淋しいな。恋はもっと楽しい物だって思ってた。過去の自分はなんて馬鹿だったんだろうか。
ソファで悶々と悩むpーpは何時の間にか眠りに落ちていた。
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