Unknown

□A mortal wound
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U
秋の夜、暗い空には幾つかの星が光る。月は雲に隠れて見えない。
「どうしよう…。僕つわはすさんに随分ひどいこと言っちゃった。」
つわはすさん、きっと怒ってるよー。と、pーpは頭を抱えて唸っている。
こんな時に言う事か、とも、こんな事を思ってるのがつわはすくんにバレたら絞め殺される。とも思うが、pーp、可愛い過ぎる。
だって普通、20過ぎた男が頭なんて抱えていたら、似合わないはずだ。けど、pーpは不思議と可愛い。
…まぁ、そんな思考はさておいて、ともかくpーpを浮上させなければ。
いくら可愛いからとは言っても、友人としてはこのまま放置する訳にはいかない。
「で、pーp。」
話しかけると、pーpはピクッと体を震わせ、ぶつぶつと呟くのを止めた。俺は、にこぉ。と笑って問い掛ける。
「何があったの?」
するとpーpは、少し逡巡してからぼそぼそと語り始めた。
「先月僕がつわはすさんの家にお邪魔したんだ。それで…

要は、つわはすくんがpーpのあげた手作りお菓子を食べず、駄目にしてしまっていた所を見付けて、つい喧嘩になってしまった、という事らしい。
ああ、それはpーpが怒るのも無理ないな。
とは思うものの、お菓子を食べられなかったつわはすくんの気持ちもわかる。大好きな人から貰ったお菓子なんて、勿体無くてなかなか食べれ無いものだ。
…まあ流石に普通の人は消費期限までに食べるとは思うが。
この場合、どう助言するべきなんだ?とレトルトは悩んだ末に言った。
「取り敢えず一回会って、話してみたら良いんじゃないかな。」
こう、腹を割って。と身振りで示すと、pーpもそれを真似する。
「ぱかっと?」
「うん。ぱかっと。」
そうしてpーpは店から出て行った。レトさんありがと、と言い残して。
くそぅ。可愛いなぁ。キヨくんよりずっと可愛い。
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