Unknown
□Clean room
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Clean roomU
「もう散らかってるし。」
「う…。」
前に会ってから一週間と経っていないのに、pーpの部屋は見事な変貌を遂げていた。
無論悪い意味で。
「まあ、いいけど。」
俺は手を動かしつつ溜め息を吐いた。内心少し嬉しく思っているのは覚られなかったはず。
前回は全く良いところを見せられなかったので、俺は結構張り切っていた。
だからだろうか、普段なら必ず踏み台を持ってきて拭いていた本棚に、踏み台なしで立ち向かってしまったのは。
漫画のように、とまではいかないが、それなりに舞い散る綿ぼこり。
俺の頭経由で下に落ちていった数冊の本たち。
そして頭を押さえてうずくまる自分。
「いったぁ……。」
そして、心配そうにしながらも笑いを堪えきれずにいるpーp。と言うか、そもそも堪える気がなさそうだ。
「笑 う な !」
俺が怒鳴っても、pーpは笑いやむ気配を見せず。
結局俺にも笑いが伝播して、ひたすら二人で笑い転げていた。
「いやー。ごめんね、大丈夫だった?」
「今更?あれだけ笑ってて、今更心配?」
「だから、ごめんって。」
まあ、別に良いけど。
確かに自分でもかなり間抜けだったと思うし。
もう本は重ねて置かないようにって説教したし。
「本当、いつもありがとう。」
「いや、好きだから。」
「え!?掃除好きなの?信じらんない。」
「いや、ぴーちゃんが……、ぴーちゃんには分かんないだろうね?」
「あ、ひっど。」
ぼうっとしていたら、好きなのはpーpだから、と自然に答えかけていて、俺は慌てて誤魔化した。
pーpは口を付けていたコップを机に置き、上目遣いで抗議するようにじっと見つめてくる。
俺は赤くなった頬を隠すようにふいっ、と目を逸らして横を向いた。
「つわはすさん、顔赤い。」
「違ー……。」
だが、やはり誤魔化すのには無理があったみたいで、pーpに顔の赤さを指摘されて焦る。
そんな俺の内心までは読み取れ無かったのか、pーpは首を傾げている。
「ああ、今日頑張ってくれたから、疲れたのかな。」
あ、いい感じに勘違いしてくれた……、と安心したのは束の間だった。
「つわはすさん、今日は泊まってく?」
さらりと投げ掛けられたその問いに、俺の心拍数は跳ね上がった。