Unknown
□Illusion sequel
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Illusion sequelU
「………………………………。」
「………………………………。」
それからpーpの家まで歩く途中は、お互いに一言も話す事が出来なかった。
まだ大抵の人は起きていてもおかしくない時刻なのに、辺りがやけに静かなように思われる。
「着いた。」
pーpは不意にそう言って、アパートの中に入っていった。
何度も来ているはずなのに、ぼうっとしていて着いたのに気付けなかった。俺は慌ててその後に続いた。
pーpが部屋の鍵を開けてくれたので、俺はお邪魔します。と断って靴を脱いで玄関に揃えて置いた。そのまま居間に向かうと、pーpの後ろから付いて来る足音が聞こえた。
「ちょっとお風呂わかしたりしてくるね。つわはすさん、冷蔵庫にお茶あると思うから飲んでて。」
「ん。pーpのも注いどくわ。」
「ありがと。」
しばらくしてpーpが帰ってきた。
ソファでしばらくお茶をすすっていると、pーpがぽつり、ぽつりと話し始めた。
「僕は、今日ずっと怖かったんだ。本当は僕はまだ夢の続きを見ていて、いつか突然目覚めてしまうんじゃないかって。」
「んな……。」
俺は反論しようと口を開きかけて、止めた。今の俺がいくら言ったところで、何もかわらないのだから。
そんな俺の反応に気付いていないのか、あえて気付かないフリをしているのかは分からない。pーpは話を続けた。
「目覚めた途端に全部消えてしまうのは嫌だった。また同じ事の繰り返しなのかなって。」
「でも……。つわはすさんは、つわはすさんなんだよね。いやさ、当たり前っちゃ当たり前だけど。だからさ、僕はもし目が覚めたら、つわはすさんに告白しに行くよ。何度でも。」
そう言って彼は手に持ったカップを置き、俺の目を真っ直ぐに覗き込んできた。
視界の端に、カップの中の波紋がゆらゆらと揺れているのが見えた。