夢の中
□プロローグ
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「ー…紫乃」
聞き覚えのある声が頭の中に響き、目を覚ます。
そこには見慣れた天井だけが広がっていて、もちろん、あの人の姿はない。
ゆっくりと上体を起こし、
「…はぁ」
一つ、溜め息を吐く。
こうしてあの人の夢を見て起きるのは、何回目だろうか。
そんな事を思うと、自然とまた一つ溜め息が出た。
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