元アイドルとの生活
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あの日からなんとなくちょっとチョロ松と気まずい。向こうは変わらず接してくれてるんだろうけど、なんとなくあの顔が離れなくて申し訳ないような気持ちになってしまってどうして良いのかわからない。
「どうしたんだいマイシスター、浮かない顔はキュートじゃないぜ?」
今日はなぜかこいつと二人っきりだ。おそ松とは違う意味で面倒くさい。だれがマイシスターだ、肩パンすんぞ。
「もしかしてキミもカラ松ガールになってしまったのかい?」
目ヂカラたっぷりで何か言ってきているが、心底どうでもいい。それにしても何故こいつらはこんなにも絡んでくるんだ。
「やめときな、俺はチョロ松のようにチョロくはないぜ」
『うるせぇ、犯すぞ童貞』
あんまりにもうるさく絡んでくるので、畳に押し倒して上に跨った。
「えっ。」
『冗談に決まってんじゃん、ばーか。』
顔を赤くして固まっているカラ松。チョロ松の次に童貞力高いな。いや、いい勝負かな?このまま食っちゃうのも面白いかもしれない。
「あ、あの…?、さん?」
『あれ?チョロくないんじゃなかったの?』
「あ、あぁ…チョロ松が悲しむ。俺は兄弟が悲しむことはしたくない。」
『へー、そう。』
なかなかこいつ等、兄弟想いのとこあるな。結構マジメだし。そのマジメさに免じて元気になってしまっているカラ松ボーイのことは見逃してやろう。
私は『ごめんごめん』と笑いながらカラ松の上から退いた。
「その、チョロ松となにかあったのか?二人とも落ち込んで…」
『は?チョロ松普通じゃん。』
「あれのどこが普通なんだ。」
え、そうなの?私には普通に見えてたんだけど。
「なにかあったんなら、ちゃんと話した方がいいんじゃないのか?」
『なんもないし。てかチョロ松がどうか知んないけど、私は普通だし。』
「強がるのもかわいいが、素直になるのも大切だぜマイシスター。」
フッと笑ってそのまま部屋を出て行ってしまったカラ松。なんだあいつ。私とチョロ松をどうしたいんだ。というかチョロ松があんな顔すんのが悪いんだ、意味わからん!あいつのために私がこんな思いする意味!心の中で悪態をつく。
「あ、?ちゃん…ただいま。」
『もう、全部あんたのせい!ちょっと飲みに行くよ!』
おそらくハローワークから帰ってきたチョロ松の腕を引き、私達は家を出た。