元アイドルとの生活

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「父さん!母さん!こちら、結婚を前提にお付き合いしてる??さん!」
『うぇへっ⁉』
「今日から一緒に住んでもらってもいいよね⁉僕、就活頑張るよ!」
『しゅっ、就活⁉』
「あらー、可愛らしいお嬢さんね。まあニートが6人から7人になってもそんなに変わらないわよ、ね?お父さん」
「あぁ、まあそうだな。」
『ニートが6人っ⁉』
「じゃあ、そういうことだから!」

案外すんなりと受け入れてもらえた。まあこの家には成人男性のニートが6人も居るんだ。今更ちょっとやそっとじゃこの両親は驚きもしないだろう。そうだ、ちゃんと兄弟の紹介もしておかないと。再び?ちゃんの手を引いて、兄弟達で騒つく居間へと戻る。

「じゃあ紹介するね、上から順に…おそ松兄さん、カラ松兄さん、僕、一松、十四松、トド松。六つ子の三男だってのは前に話したことあるよね?」
『うん、聞いた。聞いたけどマジだったの⁉』
「え、もちろん。そんな意味ない嘘つかないでしょ」
『え、あ…あ!6人ニートって⁉』
「あー、それは言ってなかったね。ごめん、恥ずかしながら僕達全員ニートなんだ。」

それぞれが恥ずかしそうに「えへへ」と照れた仕草をする。口をあんぐりと開けてまさに唖然とする?ちゃん。そうだよね、やっぱり引くよね、ニートだなんて。でもニートだって言って《このグッズのお金どうしてるんだろう、まさか無理してるんじゃ…》とか余計な心配させたくなかったんだ。心の中で言い訳をしながらも、隠していたことにチクリと胸が痛む。

『ご、ごめんチョロくん。やっぱり迷惑かけれないよ!ご両親にも、ねっ⁉』
「大丈夫、心配しないで。?ちゃんはなにも遠慮しなくていいんだよ。」
『いやいやいやいや!だって、ニートとか聞いてなかったし…ほ、ほら!私も1回1人で頑張ってみるしさ!チョロくんも仕事とかさ!決まってからまた、ね!それからまた話しよう!』
「ニートなの、黙ってたのはごめん。でもほんとに大丈夫だから、?ちゃんに苦労はさせないよ。だから待ってて!僕、ハローワーク行ってくる!」

遠慮する?ちゃんを兄弟達の中に座らせた。このクズ共の中にこんな美少女を置いていくのは非常に不安だが、外に連れ出してタチの悪いアンチに見つかるよりはマシだろう。

「お前らもし?ちゃんに指一本でも触れてみろ、ぶっこ◯すからな!絶対?ちゃんの嫌がるようなことするなよ!」
「へーへー、まぁこのビッチに誘われたらわかんねーけどな。」
「?ちゃんはビッチじゃねーよ!天使だぞ、しっかりもてなせ!」
「わかったから行くなら早く行きなよ、ハローワーク閉まっちゃうよチョロ松兄さん。」
「じゃあ、?ちゃん。すぐ戻るからくつろいでてね。こいつらになんかされそうになったら遠慮なく警察呼んでね。」
『へ?あっ、ちょっと…!』

?ちゃんの為にも早く自立しなきゃ!僕は慌てて家を飛び出した。




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