長編
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光が消えたかと思えば真っ先に目に入ったのは建物の合間からのぞく青空…
そして、線
背中には硬い感触…
さっきまでとは違い身動きがとれる
状態を起こし周りを見渡せば、どこかの路地裏のようだ
ここはどこなのか?
なぜ、俺はここにいるのか?
ところどころ見えるこの線は一体何なのか…
そして、俺は死んでいるのか生きているのか…
なんとなく自分の手を見てみると自分からも線が見える…
「っ…」
そして一瞬、この線に添って自分の手がバラバラになる様な錯覚を起こした
もちろん、手はなんともない…
だが、なんとなくこの線がなんなのかわかった気がした
たまたま近くに生えていた一輪の花に手を伸ばし花に浮かぶ線を指先でなぞる
「…」
なぞった瞬間、綺麗な花は一瞬にして枯れ果てた…いや…
「殺してしまったという方が正しいか」
どうやらこの線はモノの『死』そのもののようだ
死神にでもなれというのか…
神様の気まぐれとやらのしわざなら気まぐれという言葉では済まない
地獄絵図…今、見ているものにたいしてこの言葉が1番しっくりくるような気がした
とりあえず状況を把握したい
モノを殺せると言うことはここでは俺は生きているのかもしれない
もちろん、幽霊という可能性も捨てがたい
「はぁ…」
面倒だが考えていても仕方がない
この辺りを探索でもしてみるか