同性愛の書庫

□どっちが彼女?
1ページ/1ページ

スバルは一番年下のくせに生意気だ。
僕の方が年上なのにいつもいつも。
この間も泣いていたら撫でられた。
意味がわからない。
本来なら僕が撫でるはずなのに。

「ねぇ、スバル。」

「あ?んだよ。」

「僕の方が年上だから、普通で言うとスバルが彼女の立場ですよね?」

「っ!げほげほっ!な、何だよ急に!!」

紅茶を飲んでいたスバルに問いかけたらむせてしまった。
せっかくの紅茶なのに。

そんなスバルを見ながら僕は頼んだキャラメルフラぺチーノを飲む。
うん、甘くっておいしい。

そもそもここへ来たのもスバルが誘ったからだ。
顔を赤く染めながら、「このカフェのスウィーツが甘くてうまいらしいぜ。だ、だから、ぃ、一緒にいかねぇか?」って。

別に嬉しくなんかなかったからありがとう、なんて言ってあげなかったけど。

「それで、なんなんだよ。急に。」

やっとスバルが落ち着いてきた。

「ってか、年下だから彼女とか決まってねぇだろ。つか、ここでそんな話すんなよ・・・」

「別にいいじゃないですか。そもそも僕をここへ誘ってきたのもスバルですよ?」

「〜〜っ!!ぅ、うるせぇ!これでも食って黙っとけ!」

「むぐっ!?」

スバルが急に苺のタルトをフォークで刺して僕の口へ入れる。
噂通りこのカフェのスウィーツは特に甘い。
ストロベリーソースが絡んだ甘い苺に、生クリームが付いていて、ホロホロとした食感のビスケット部分がいっしょに口に入る。

「ふふっ、おいしいです♪」

「・・・なんでそんなに可愛いんだよ。」

「え?なにか言いましたか?」

「なんでもねぇよ!」


(どう考えてもカナトの方が彼女だろ・・・)

(もぐもぐ・・おいしい・・・♪)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ