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□幸せのその先は《第3章》
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「タンバルンへ、ですか?」
白雪とオビが元通りの関係に戻ってしばらくした頃。
名無しさんはゼンから白雪のタンバルン訪問の件を聞いた。
「そうだ。タンバルンは隣国であり、クラリネスとも友好関係にある。白雪はタンバルン出身だからな。向こうのラジ王子とも仲が良い。定期的に訪問してるんだ。」
「そうなんですか・・・。」
白雪がタンバルン出身だということは知っていたが、まさか向こうの王子とも知り合いだとは。
「まあ色々あったんだけどな。それで、今回からはお前にも同行してもらう。これまではオビだけだったが、白雪も王子妃になったし、お前にも付いてもらった方がいいと思ってな。」
私も行くんだ。タンバルンへ。
少し楽しみだな、と名無しさんは思った。
「かしこまりました。いつからですか?」
「来週の末から向かってもらう。準備しておいてほしい。」
かしこまりました、と名無しさんはもう一度頷いた。