守護裏
□未定
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あの人を見たのは、ほんの偶然。
自宅に向かうあむは、公園に差し掛かった所で見覚えのある人に遭遇した。
「あれ、君こないだの」
「イクトの友達?」
ベンチに1人座っていたのは、いつか見たイクトの友達。2人は顔を見合わせた。
「奇遇だね。そういえば君名前何て言うの?」
「あ、あむです。日奈森あむ。」
「あむちゃんか。よろしく」
はい、と頷き、隣に座りな、と催促する友達の傍らにちょこんと腰を下ろした。
「そういえば、今日イクトは…?」
「んー…たぶんさぼり。あいつ猫みたいに気まぐれだしねー」
学校でも猫仕様なのかとあむは苦笑した。
「イクトとあむちゃんってどんな関係なの?」
「え?あ、えっと…遠い親戚なんですよー…あはは」
まさか敵同士、等とは言えず、苦笑を漏らしながらベタな嘘をついた。
「ふーん、そうなんだ」
少し疑っている様な素振りを見せる彼の気をそらさせようと、あむは話題をそらす。
「あの、イクトって学校じゃどんな感じなんですか!?」
「え、あー…よくさぼる。そのくせ頭がいい」
「え、イクトが?」
「意外でしょ?テストはいつも90点台」
あむは普段のイクトと学校仕様のイクトを照らし合わせる。全然違うような気もするが、気まぐれって所は一緒か、と一人納得する。
他にもイクトの事を知りたい、と時間を忘れて他愛もない話をしていた。
そんな光景を、意味深な眼で見つめる人が一人。
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