ガーネットストーリー

□U What's your name?
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「江戸、かぁ…」

町を歩きながら、坂田さんがここのことを説明してくれた。時々すれ違う人間じゃない生き物は『天人』っていういわゆる宇宙人らしい。

「面白いですね、天人って」
「面白いか?」
「ええ。ほら、あの人とかカエr」

最後まで言い切らないうちに、坂田さんに口と鼻を塞がれた。私が固まったのを確認して、彼の手が少し離れる。

「言っちゃダメ!それはダメだよ!」
「えー…はぁい」

しぶしぶ返事をすると、坂田さんは安心したような顔をしてから再び歩きだした。
今の坂田さんの反応、滅茶苦茶早かった。息が詰まるかと思ったよ…。

さて、ここまでいろいろ見ながら歩いてきたけど、やっぱり何も思い出せない。私の記憶はどこ行っちゃったんだろうと悩んでいたら、坂田さんが急に口を開いた。

「うら、着いたぞ」

カンカンカンと坂田さんの足音を追いながら、たどり着いた建物を見上げる。看板には『万事屋銀ちゃん』と書かれていた。ってことはここが“よろずや”かな?
ぐるぐると考えているうちに、坂田さんは“よろずや”の扉を開けた。
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