帝一の國

□あいことば
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僕と駒くんはクラスが違う。
故に、生徒会長の座を争っている今はなかなか二人で逢うことが出来ない。
僕は氷室くんのライバル(僕はそう思ってないけど)だから、逢いたくても逢えない。

「億人。」
「あ、駒くん。こんにちは。」

いつもの図書室。
僕は大体図書室に居るから、逢いたいときは図書室に来てね、と、彼に話したのはいつだったか。

「なぁ億人?」

僕が物思いに耽っていると不意に声を掛けられた。

「なぁに駒くん」
「あのさ、合言葉つくってみないか?」

そう言って笑う彼はいつもの威厳ある顔ではなく僕の大好きな顔だった。

「子供っぽいけど...なんで?」
「子供っぽいって言うなよな〜。だってさ、俺達あんまおおっぴらに逢えないじゃん?」
「まぁ...。」
「だからさ〜」

作ってみない?

そう言って笑った彼の顔があまりにもかっこ良くて僕は了承する他無かった。


       
あれから数分僕たちは合言葉を作っていた。
...合言葉というよりボディータッチって言った方が良いかもしれない。


逢いたいときは、どちらかの肩を二回叩く
とか
キスしたいときは手を握るとか...
あとは、エッチな事をしたいときは相手の小指に自分の小指を絡めるとか、以下略。


「ねぇ、エッチのときまで決める意味ある?」

エッチのときの合言葉を決めるとき、なんだか僕は凄くいたたまれなくなって駒くんに聞いた。

そしたら

「え?だって何かイケナイコトしてるみたいで好くない?」

って。


だから僕は、駒くんの小指に自分の小指を絡ませて

「じゃあ、今からイケナクてイイコトしましょう?」


って。


その後は....ね?

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