またあの桜の下で

□プロローグ
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お父さんと銀行に来ました。


そしたら銀行強盗がいて、私を狙って撃ってきました。


怖くて目を瞑りました。

だけど、何も痛くありません。

目を開けて見ると、目の前にお父さんがいました。

苦しそうな顔をしながら。

そして、お腹のあたりは、紅く染まっていました。

お父さんは、言いました。

『…生きろ…!!…お前が、希望に…なる!!』


お父さんの体が崩れました。

私は、小さな体で支えます。

『嫌だよ!お父さん!死なないで!!!置いて逝かないで!!』

5歳だった私の中では、精一杯の言葉でした。


私は、泣き叫びました。


それと同時に光につつまれました。



気が付けば、銀行じゃないところに寝転んでいました。


夢かと思いましたが、すぐに夢じゃないことが分かりました。



だって、服にお父さんの血がついていたから。


しばらくそこにずっといました。


孤独になったのが寂しかったからなのかもしれません。

ふと、お兄ちゃんに会いたい。


そう思いました。


私には、3つ離れた兄がいます。

兄は、学校に行っていて一緒じゃありませんでした。

お父さんがいなくなった今では、唯一の肉親です。


そこへ、真っ赤な人がやってきました。

彼は名乗りました。

『大丈夫か?私は、アカレンジャー。君は?』

彼は、私を助けてくれました。

彼らは、ゴレンジャーと呼ばれるヒーロー達だったのです。


わたしが彼らと共に戦いの場をくぐり抜けたとき、また、違う世界に飛ばされました。


その繰り返し。


ただ違うのは、


不思議な力を持ったということ。


私を助けてくれた彼らは、戦隊。

地球を守るヒーロー達。


私は、気づきました。


こうやって、戦隊たちの世界を旅することで何か意味があるんだ


と。


その旅にやっと終止符を打つことができたのは〈列車戦隊トッキュウジャー〉という戦隊達と過ごしたあとでした。

私は、あれから15年の時を経てやっと元の世界に戻ってこれたのです。
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