またあの桜の下で

□何かが始まる前兆
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翌日、アルは、家の中で考えていた。



それは、なにか……



「なんて言えばいいのかな……あー!ほんとは、こんな静かな女じゃないんだよ!!!色々ありすぎて元の自分に戻っちゃいそうだし!!」



昨日、特状課に戻ることは、戻ったのだが課長に無理やり帰されてしまった。


理由は、分からないが。



だから、あんなひどいことを言ってしまった霧子や進ノ介達に謝れていない。


ましてや、1日経った今、どの面下げて行けばいいのか全く分からないでいるのだ。


「考えるのやーめた!!私は、アル·アグリ!泊 那月じゃないんだから!、今日も、静かに行くよ!!いや、行くっきゃない!」


頬をバシバシっと叩いて気合いを入れる。


死んだ父さんのためにも、私が兄さん達の手助けしなきゃ。



兄さんは、覚えてないだろうな私のこと。




...あぁ!こんな暗いこと思っちゃだめ!!

なんで、今日に限ってこんなこと考えてるのかなー……


「よしっ!」


もう一度気合いを入れ直して、静かに目を閉じる。


そして、家のドアを開く。



「おはよ!」

ドアを開けてすぐ目の前に笑顔の剛のが現れた。


つい、ドアを閉めてしまう。


声に出てきそうなのを抑えて心の中で叫ぶ。


いや、なんで剛さんがいるの!!!?



深呼吸をして、もう一度ドアを開ける。


今度は、不機嫌そうな顔していた。



「なんで閉めんだよ。」


「いや、なんか、反射的に、つい……」


「つい、じゃなくて...はぁ、傷つくなー」



そう言ってうつむく剛。



「す、すいません!」


慌てて謝るアル。


「まぁ、いいよ。送ってくよ!」



剛は、アルにヘルメットを渡す。


「え。いや、大丈夫ですよ?いつも1人でしたし。それより剛さんは、ボルトを倒しにこっちまで来たんですよね?」




「あ、いや、そうだけどさ...実は―」

剛が言いかけたところでアルの携帯が鳴る。



「あ、ちょっと、すいません。はい、アルです。……...え?...いや、聞いてないですけど……分かりました。……はい、はい……...了解です。それじゃあ、失礼します。





そう言うと、通話を切って携帯をしまう。












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