またあの桜の下で

□バレるとき/仲間捜索の行方
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あの後、マーベラスをとりあえず自宅に入れたアル。



彼の手当てをしてベッドに寝かした。





「ねぇ、ジョー達はどうしたの?」



救急箱をしまいながら、彼に問う。



マーベラスは、難しそうな顔をする。



その様子見る限り何かあったみたいね……





「マーベラス?」




「バラバラに、なった」




珍しく、力のない声だった。



「バラバラに?」



「あぁ。あの穴に吸い込まれたときにな。」




「じゃあ、今もみんな別の場所にいるってこと?」



「そういうことだ」




「探さないとね、マーベラス」



アルが彼に問いかけるがマーベラスから返答が返ってこない。


マーベラスの方に向いてみると彼は、規則正しい寝息をしていた。




「変わんないなぁマーベラスは」


呟くと笑みがこぼれる。



「っいった…」


一瞬胸に激痛が走る。



なにこれ…



呪い…?


まさか、今まで出たことなんてなかったのに……


これがひどくなる前にマーベラス達を元の世界に返さなくちゃ...




アルは、そう固く心に決めて寝たのだった。



















翌日。



マーベラスが目を覚ますと美味しそうなカレーの匂いがあたりを漂う。





「あ、起きた?おはよう。もうすぐ出来るからそこら辺に座ってて」



キッチンに立つアル。



マーベラスは、言われた通りに座る。




しばらくするとお皿に盛って持ってきた。



「はい。好きでしょ。どうぞ」



コトッとマーベラスの前に置く。




マーベラスは、カレーに食いつく。




そして、数分で食べ終わる。





「おかわりだ!」




「はや……」



出されたお皿を受け取って、またカレーを入れて戻ってくるアル




マーベラスに渡すとそれもすぐに食べ切ってしまう。




「おかわり」




「どれだけお腹空いてるの...」




「うるせぇ。ごちゃごちゃ言ってないで早く入れやがれ」


「口だけは、健在ですねー」



嫌味を1つ言ってまたカレーを入れに行く。



マーベラス達と一緒にいた時もこうやってハカセとカレー作ったなー


昔の思い出に浸りながら再びマーベラスの元にカレーを持ってくる。



「マーベラス達、宇宙に旅行ってたんじゃなかったの?」


アルがそう言うと、食事していたマーベラスの手が止まる。



「...何があったの?」




「……ザンギャックが復活しやがった」




マーベラスの言葉に絶句した。



「……今、なんて……」




まさか、あんなに苦労したのに、復活?




「ザンギャックが復活しやがったんだよ」



その口ぶりは、荒々しいものだった。




「そんな...」









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