幻水U 長編 夢置き場

□光の姫君 第二章
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「おぉ!いい女連れてんなぁ〜、逢い引きかぁ??」











腐れ縁の男は













期待を裏切らなかった。















〜光の姫君 6〜












ティアラを拾った翌々日の昼過ぎに、二人はラタドに着いた。


本来ならば、昨日の朝方に着く予定だったが、ティアラの一件で延びてしまったので仕方ない。






「とりあえず仲間と合流したいんだが……飯食ってからにするか?」



「えぇ、そのほうが助かるわ。…お腹も空いたし。」



そう言って腹を摩ったティアラは、前方にいるフリックの隣に並ぶ為、足早に歩く。






ティアラとは、道中に様々な話をして打ち解けた。


堅苦しい敬語が苦手だと言ったためか、今ではタメ口にもなっている。






「ここでいいか?…俺が贔屓にしてる店なんだが、味は保証するぜ?」


「そうなの?なら、ここにしましょ。」



二人は、町の端にある小さな定食屋の扉を空けて中に入った。



途端、大きな笑い声が耳に入り、何事かと目をそちらに向ける。


そして―――












目に映った人物に脱力してしまった…。











「…………悪い。先に紹介する奴ができた。」


「え?紹介って…」




ティアラの言葉を待たずして、フリックは騒がしい集団の方へ向かう。



訳がわからないが、ティアラも後に続く。





そして、集団の中の一人の男の背後に立つと、不機嫌極まりない声で、






「………おい熊。……………何やってんだ?」



話しかけた。






すると男は振り返り、驚くことなく手をヒラヒラとさせる。



「よぉ!相棒!遅かったじゃねぇか!」



「……ちょっとな。いろいろあっ―――」


「おぉ!いい女連れてんなぁ〜、逢い引きかぁ??」


「なっ…!!ちが…っ!!」


「照れんなって〜、よっ!色男!!」






「………ティアラ、コレが一応…仲間だ。」
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