幻水U 長編 夢置き場
□光の姫君 第六章
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学問の都市グリンヒル。
興味深い街角に、
心が躍ってしまうのは
仕方がない…??
〜 光の姫君 22 〜
長い道のりを得て、シュン達はグリンヒルに着いた。
今回の任務では、フリックが用心棒となり、シュン、ナナミ、ルック、アイリ、ティアラ、ピリカが入学希望者として潜入する。
そして今、グリンヒルの街の中で、一行は、歩いては足を止めを繰り返していた。
その原因は誰の目にも明らかで…
「ねぇ!!見て見て!この銅像…面白いっ!!!!」
「おいっ!何やってんだ!?置いてくぞ!!」
はしゃぐナナミに、注意するフリック。
ナナミは、任務がある事などきれいさっぱり忘れたように楽しんでおり、その保護者は勿論フリックとなる。
「……敵地に潜入のはずがこれじゃ観光だな。」
そう呟いて前方でうなだれるフリックに、他のメンバーはとりあえず合掌をしておく。
「素敵な街並み……」
ティアラはキョロキョロ辺りをみながら小さく呟く。
ナナミほどではないが、ティアラも、この大きな街が興味深かった。
人工的だが緑も多く、若い学生達を中心に活気づいている街。
現在は王国兵が街を闊歩していて、元来とは違った風景もあるようだが、それでも興味を引くには十分な街だ。
ふと、フリックが後ろを振り返り、足が止まりそうなティアラを見咎める。
眉間にシワをよせ始めた彼に何かを言われる前に、ティアラは曖昧な笑顔をつくって答えた。
「だ、大丈夫デース…」
「………目が泳いでる。」
「!!…………あはははは」
ひたすら笑ってごまかすティアラに、フリックは更なる不安を覚えた…。