幻水U 長編 夢置き場

□光の姫君 第八章
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わからない。











込み上げる気持ちに、










戸惑う事しかできなくて……




















〜光の姫君 29 〜



















テレーズ達と話をした翌朝、一行は、すでに帰る準備に取りかかっていた。


交渉が決裂したのなら、この街に長居は無用だ。







「あ〜ぁ、学校ごっこ楽しかったのになぁ〜。」



口を尖らせて、残念がるナナミに、軍主は苦笑いしている。






「まぁ今回はテレーズさんの無事が確認できただけでもいいんじゃない?後は…」


「王国兵に見つからないように祈るのみ、だな。それと……」




アイリの言葉に続いたフリックが、ティアラを見る。




準備を終えたらしい彼女は、窓の外を眺めていた。


何を見るでもなく、ただぼんやりしている。





「………」





フリックは、今日何度目かのため息をつく。







昨日のティアラは、確かに様子がおかしかった。


しかし、本人も自分の言葉に後から困惑していたようで、誰も何も聞けずにいた。 











(普段のティアラと違……、いや、一部だけ本来の記憶が戻った…のか?)



学院の手続き済ませ、揃って市街地に向かいながら、フリックはさらに思考を深める。



(だとしたら、過去に彼女を守って誰かが死に、その事が彼女自身を……)









「見て!!…あそこ、人集りが」



ナナミの声に思考を止め、フリックは広場に目を向ける。 




「!!…まずい。王国兵だ。何かの通達か?」






広場に集まった人々は、前方の王国兵の方を向いている。






「テレーズを捕まえたものには…」




フリックの不安どおり、王国兵の隊長らしき人物が、通達を述べている。




「…大金と身の安全か。この調子じゃ見つかるのも……」



「!!…ピリカちゃんっ!ピリカちゃんが急にっ……えっ?」



何かに気づき、ピリカが
走り出した。


その目指す先に目を向ける。



そこにはーー、








「なんでっ!?なんでジョウイが…」







シュンとナナミの幼なじみがそこにいた。







王国軍の軍団長として……。
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