思い出の欠片
□V、帰還
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((ピシッ…
ベアトリクス「……?…ザクス、今の音…」
ブレイク「……えぇ。」
シャロン「…ブレイク?ベアトリクス?」
シャロンのその言葉を合図の様にして私はレイヴンの前に彼を庇う様に立ち、ザクスはシャロンを守る様に自身に引き寄せた。
その瞬間…
((ピシッ…ブワァァッ
目の前で、赤い光が
渦をまいて現れた。
それはとても威力が強いのか、当たりを巻き込んで暴風が起こる。
必死に倒れない様に足に力を入れて、渦の中を目を凝らして見てみると…。
その中から出てきたのは……
シャロン「っ…!」
レイヴン「なっ…!!」
シャロンとレイヴンの二人が驚くのも無理はない。
渦の中から現れたのは、
あの日、アヴィスに堕とされた筈で、今から私達が救おうとしていた、
オズ=ベザリウスだったのだから。
ブレイク「…これはこれは。驚きましたネェー。自力でアヴィスから出てきちゃいましたヨー、彼。」
ベアトリクス「…そんな…まさか…」
私には嫌な予感しかなかった。
もしかすると彼は…
アヴィスで出会ってしまったのかもしれない。
シャロン「あっ…有り得ません。こんな事…」
すると、レイヴンがいち早くオズ=ベザリウスの元へと駆け寄った。
レイヴン「おいっ…!」
優しく抱き起こしながら声をかけるが、意識がないようだった。
ブレイク「ま、結果オーライって事で良いんじゃないですカァ?」
シャロン「…そう…ですね。漸く、パンドラの鍵を手に入れました。」
レイヴンに続く様に、
各々ゆっくりと彼に近付いていく。
シャロン「…これでもう、後戻りは出来ません。例えこの方が、破滅を齎す堕天使だとしても…」
シャロンはオズ様の髪を優しく撫でながらそう言った。
ベアトリクス『…………』
私は一人、重たい顔をしていた。