思い出の欠片


□X、チェイン
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コツ…コツ…コツ…

二人の場所から離れて
私は一人歩いていた。

ベアトリクス「…アリス…」

私が彼女を叩いたのは初めてで、
彼女のあんな表情を見たのも初めてだった…。

ベアトリクス「…アリス。"こちらのアリス"は…少々私には手強いわ…」

私はああいう類のモノを
説得するのが苦手だ。

"一人"を知らず、"独り"を知る者。

以前の私を見る様で、
どう接したら良いか解らない。

"あの時の私"の様に
少し力を入れて触れてしまえば、
一瞬で粉々になってしまいそうで…


とても怖い。


だから関わりを持たない様にしてしまう。私に関心を持たない様にしてしまう。

そんな私をあの人は
あの子の中から
滑稽そうに視ているんだろう…


アリスことビーラビット。

………少し経っただけで、
人はあんなにも変わるものだろうか。

あんなにも変わってしまった"アリス"は異常なのか…


いや、きっと違う。

異常なのは…

何十年もの時が経っても
全然変わらない…
成長出来ない…








私の方だ。
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