思い出の欠片


□Z、独り
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その後、
私は刻印が進んだ事を
何知らぬ顔でギルバートに
告げようとしないオズに目を瞑り、
そのまま普通に対応した。

そして夕刻ぐらいになると、
朝、ザクスにパンドラへ
行く様言われていた為に
オズ達と一旦別れて、
昨日から何かと重い足を上げ
大人しく向かった。

ベアトリクス「…逃げられた?」

レイム「嗚呼、ほんの2時間程前だ。監視の者6名を殺害して逃亡した。」

そろそろ時計の長針がX、
短針がWに掛かる時刻に
パンドラに戻ると、
何やら騒がしく人々が動いていた。
事件でもあったのだろうかと思い、
レイムの所へ向かうと、
先日捕らえた蟲(グリム)の違法契約者が
逃げたらしい。
その違法契約者は手負いだった為に
様子を見に行くのも回復するまで待たねばならない状況だった。
確かザクスも「首狩りに繋がる重要な手掛かりですからネェ〜」と言って、会うのを
楽しみにしていた人物だった気がする。
そしてこの私も
実際会うのを楽しみにしていた。
けれどそれをレイムに言っても
どうにもならないので、私は静かに問う。

ベアトリクス「…行方は?」

レイム「…まだ不明だ。すまないベアトリクス、これからレインズワース邸へ行きシャロン様にご報告しなければいけないのだが、一緒に来てくれ。」

私は二つ返事で彼と一緒に
シャロンの元へと足を向けた。

inレインズワース邸

シャロン「まぁベアトリクスにレイムさん。ようこそいらっしゃいました。」

レインズワース邸へ行くと、
シャロンが対応してくれた。
そして一室へと案内される。
四方八方に絵画が飾られ、
天井にあるシャンデリアは
美しく光っていた。
ご丁寧にケーキや紅茶など
如何にも「さぁ、お話しましょう」
と言った感じだった。
どうやらザクスは帰っていない様だった。

レイムが重く口を開けて
喋りだすのを見届けると、
私はレインズワースの
美味しい紅茶を頂いた。
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