思い出の欠片


□Z、独り
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((スゥッ…

ベアトリクス「ひっ…!」

レイムが話し始めて
数十分経っただろうか。
不意に私の足に
冷たいモノが当たった。
いや、当たったと言う表現は
似つかわしくない。
ソレはわざわざ膝下まである
私のスカートを少し捲り、
まるで撫でる様に
足に触れてきたのだ。
突然の出来事に驚き、
口から出た私の声に
レイムとシャロンは、
きょとんっとした顔で見つめてくる。
すかさず私が自分の足元を見ると、
テーブルクロスの下から
色白で細く整った指が伸びていた。
そしてクロスの合間から少しだけ見えた白の上着から、犯人が誰か解った。

ベアトリクス「…セクハラに値するわよザクス。」

ブレイク「あれ、バレちゃいましたぁ?」

案の定、私とは反対の場所のクロスの下からザクスがニヤニヤと笑いながら出てきた。
レイムがその事にビクッと
驚きで体が反応していた。
シャロンは慣れているのか、
「おかえりなさい」と普通に対応していた。

ブレイク「あららァ?レイムさんじゃないですカ。」

レイム「あ、相変わらずだな君は。ザークシーズ=ブレイク。普通にドアから入ってこれないのかね。そして何をしたのかは知らないが、ベアトリクスを弄るはやめたまえ。」

ブレイク「あッハッハッ。君も相変わらず堅物ですネェ〜。ご心配なく、ちょっとしたお遊びですよ♪」

ベアトリクス「…何処が。」

ボソッと言った声に
ザクスは屹度気付いている。
だが面倒臭いのかテーブルに座って
聞こえていない振りをする。
そしてレイムの傍に
置いてあったケーキを取り、
食べようとするので、
オズの時と同じ様に
私がそれをまた奪い取りレイムに返す。ブーッと言う効果音が
聞こえそうな顔をするので、
仕方なく私の分のケーキをあげた。
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