君に依存中

□◇第7話◇
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朝目を覚ますとベッドのフカフカの感覚と温かいものに包まれている感覚。とても心地が良い。



「ん?」



気付いてしまった。この温かい感覚はあきらかに誰かの腕に包み込まれている。


悟天くんはそんなに大きかったか……?


自分を包む腕に触れるとがっしりと筋肉がついている。


ま、まずい!!嫌な予感しかしない……!!!


ぐっと顔をあげてこの腕の人物を確認する。


……やっちまった。


互いの鼻がぶつかりそうな距離には悟飯さんの顔がありすやすやと気持ち良さそうに眠っている。


非常にまずい……!!私はいつ悟飯さんの布団に潜り込んだというのだ。


ツー、と背中に冷や汗がつたう。


と、とりあえずベッドから脱出せねば!!!



「よっ……く、ん〜!!」



気付かれないようにそっと抜け出そうと思ったものの意外にガッチリと抱きしめられていて抜け出せない。


しばらく唸りながらもぞもぞとうごいていると……



「えっと……怜さん?」


「ひぃっ!!!」



ビクッと心臓が跳ね体が固まる。悟飯さんが起きてしまった。


今私には後ろにいる悟飯さんがまるでRPGのラスボスに思えてくる。



「ご、ごめんなさい!!

自分でもいつ悟飯さんの布団に入り込んだのかも分からずすぐに出ようと思ったのですが!!

そ、そのっ……!!」



異様な程早口になりながら事情を説明する。きっと顔はゆでダコのように真っ赤だろう。


おそるおそると顔を振り向かせる。


え?


悟飯さんの顔を見ると同じように耳まで真っ赤。


腕がゆっくりと離れ悟飯さんがバッとベッドから出る。



「そ、そのっ

すすすす、すみません!!!」



バッと勢いよく頭を下げられ目が点になる。



「き、昨日怜さんが座ったままここで眠ってしまったものですから……!!!

そ、そのっ、別に下心とかは……!!」



必死になぜこうなっていたかを説明する悟飯さん。目が泳いでとても動揺しているよう。



「ふ、ふふふっ、あはっ、ははっ」



思わず笑ってしまう。あんなにも大人っぽく見える悟飯さんが、焦るとこんなにも幼く見えるのだ。



「えっと……怜さん?」


「す、すみません……悟飯さんがそんなに焦るなんて意外で……

謝らないでください。私が眠ってしまったのが悪いんですから」


「は、はい……」


「気を使わせてしまいすみません、ありがとうございます」


「い、いえ!!そんな事ないですよ!!」



頭と手をブンブンと振り否定する悟飯さん。その頬はまだほんのりと赤く染まっている。


悟飯さんって意外と……可愛い。
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