君に依存中

□◇第4話◇
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「おじゃまします……」



家の中に入りあたりを見回してみると、意外な事にきちんと片付けされていて綺麗な部屋だった。



「きちんと片付けてるんですね」


「まあ、悟飯がいつも片付けてっかんなぁ〜」



また、ごはん
もしかして、ごはんって、人間?



「あ、あの……悟空さんってここに一人暮らしですよね?」


「ん?オラそんな事言ったか?」


「いや、言ってはいないですけど……御家族と一緒に?」



一人暮らしにしては大分広い家だ、両親と一緒に暮らしているのだろう。



「ああ!そうだ。今は悟飯も悟天も出かけてっからいねぇけどな」



うん。やっぱりごはんってのは人みたい…



「弟さんが2人も?両親は一緒じゃないんですか?」


「弟?オラ、弟なんていねぇぞ?悟飯と悟天はオラの息子なんだ」



そう言いニカッと笑う悟空さん


ほうほう、息子さんか…悟空さんに似てるのかな、息子さん、息子さん……


え?悟空さんは今なんて?息子さん?



「む、息子さん!?」


「なっなんだよそんな驚くこたぁねえだろ?」


「え、ええ。まあ、いてもおかしくはないですけど……」



まさか悟空さんが二児の父だったとは。


意外すぎる。人は見た目によらないとはまさにこの事……



「えっと……息子さんはおいくつなんですか?

2歳くらい……?」


「歳?

えっとー……悟飯は高校っちゅーのに行ってて……

悟天は7つくらいだったかな!」



息子の歳を覚えていないなんて!なんて父親なの悟空さん……!!


しかも1人は高校生!?てっきり悟空さんは20代前半だと思っていたのに……


い、いやいや!その前に、高校生なんて絶対に思春期で住むの嫌がられる……!


私だったら嫌がる……!!!



「そ、その……悟飯さんって絶対に私の事嫌がると思いますよ?」


「なぁに言ってんだ!そんな事ねぇって!!

おっ、丁度悟飯が帰ってくるな」


「えっ!?」



家の外を眺めて何かを感じ取ったような悟空さん。


悟飯さんが帰ってくると……


帰ってくる……?え?


ま、待って待って。まだ小さい子ならいいけど年頃の男の子、思春期真っ盛り!そんなの絶対にまずい……!!



「戻りました。この時間に父さんがいるなんてめずら…しい……」



悟飯はドアを閉めこちらを向くと怜を見てかたまった。



「あっあの……こんにちは」



なるべく笑顔で挨拶をしたつもりだが、私の顔は最高に引きつっていただろう。



「お客様がいらしていたんですね、気付かずすみません。」



はっとしたあとふわりと微笑みこちらに謝る悟飯さん。


大人っぽい人だなあ……



「では、ボクは失礼しますね」


「おお、悟飯待った待った!」



悟空さんが去ろうとする悟飯さんを呼び止める。



「はい、なんですか?」


「こいつよぉ、今日からしばらくここに住むから家のこと教えてやってくんねぇか?」


「え?」


「ただいまー!!」



いきなり言われた事にキョトンとしている悟飯さんをよそに、ドアが開き元気な男の子が入ってきた。



「ん?」



男の子が私を見つめて首をかしげる。



「お姉ちゃん、誰?」



男の子が私に向かいそう問いかけると悟空さんが男の子に向かい



「悟天、丁度いい所に帰ってきたなあ

こいつは、怜っちゅって、今日からここに住むんだ。

仲良くすんだぞ?」


「はぁい!

でも、なんで一緒に住むの?」



悟天が怜に問いかける。



「あっ、その事は今からお話しますね。

悟飯さんも、聞いて頂けますか?」


「ええ、ボクも気になっていたので……

とりあえず、座って話しましょうか」



悟飯さんにそう言われ、座って話す事に



「まず、私の名前は夜刀神 怜です。

よろしくお願いします。」


「ボク悟天だよ!!よろしくね!」


「孫悟飯です、よろしくお願いします。」



私が名乗ると、2人とも名前を教えてくれた。



「そして、この家にお世話になるという事になった理由なんですけど……」



怜は悟空に話した事と同じ事を二人に話した。



「それで、1人で行く宛もない私に悟空さんが声をかけてくれたんです。

すみません、息子さんが2人もいるなんて思っていなくて……

その、迷惑だったら言ってください。

やはり今日会ったばかりですし、危ないと思うでしょうから。」


「ボクは問題ありません。

それに、困っている人を放っておけませんよ」


「ボクも!!なんだか家族が増えたみたいで嬉しい!!」



そう言って笑いかけてくれる悟飯さんと悟天くん。



「ありがとうございます……」



そう言って笑い返した。






孫家の皆さん、これからよろしくお願いします!

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