君に依存中

□◇第6話◇
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気が付くと私はベッドに眠っていて、きっと泣いたのだろう。目が腫れて痛かった。


起き上がると見たことのない部屋。


ちょうどその時、トントンとノックされドアが開く。現れたのはブルマさん。



「あら、起きてたのね。気分はどう?」


「はい、大丈夫です。あの後のことよく覚えてなくて……

迷惑かけてしまいましたよね、すみません……」



ぎゅっと強く唇を噛み締める。



「怜ちゃん……」


「私、これからどうしましょうね〜

一人暮らしの始まり?

あっ、神龍さんが出してくれた道具ってなんだろ……っ」



ブルマさんが私の手をぎゅっと握る。



「ブルマさんったらどうしたんですか」



ヘラっと笑って話すと途端に包まれる私の体。ブルマさんが私を抱きしめた。



「怜ちゃん、無理しなくていいのよ。

つらいんでしょう、泣いていいのよ」



優しく背中をポンポンと撫でられる。我慢していた感情が押し寄せ溢れる。



「うっ、うう……うああああん!!!」



ブルマさんにしがみつき子どものように泣きじゃくる。優しく背中をさすられるたびに涙が溢れ出る。



「わっ私っ……もうっ、帰れないんです……っ

帰る場所がっ、なくなってっ

私っ……私っ!!!」



ぎゅっとしがみつき泣き続ける。きっとブルマさんの服はグシャグシャ。


それでも抱きしめ続けていてくれる。


しばらくすれば涙はおさまり気分も落ち着き、ゆっくりとブルマさんから離れる。



「少し、落ち着いたかしら?」


「はい、ブルマさん、すみません」



予想通りブルマさんの服の肩あたりは私の涙で濡れていて、申し訳なくなった。



「とりあえず今日はここで寝なさいよ。

シャワーはそこにあるし、着替えは私の着ていいから。

これからの事は明日きちんと話しましょう?」


「はい、ありがとうございます」


「いいのよ、何かあったら呼んでね」



そう言ってブルマさんは部屋から出ていった。


翌朝、私がリビングへと行くと悟空さん、悟飯さん、ブルマさんがいた。



「怜さん!」



悟飯さんが一早く気付き駆け寄ってくる。



「大丈夫ですか?気分は……」



眉を八の字にして私の顔を覗き込む。悟飯さんに続き2人も心配そうにこちらを見てくる。



「大丈夫、ではないですが、大分落ち着きました。

ご迷惑おかけしてすみませんでした」



自然に笑う事ができた。昨日のブルマさんのおかげ。私が笑って見せると3人ともホッとしたように笑い返してくれる。



「さっそくで申し訳ないんですが、私はどうやらこちらの世界の人間になったようで……」


「怜、おめえがいいならこれからもオラんちで暮らすか?」


「え?」



悟空さんからの提案。なんとも嬉しいのだが、良いのだろうか?



「料理はうめえし、他にも色々できんだろ?

怜がいれば悟飯も助かるだろうしよ、なあ悟飯」


「はい、とても助かります。

怜さんが良いと言うなら是非

悟天も怜さんを気に入ってますし……」


「本当ですか?悟空さん達が良いと言ってくれるなら、お願いします」



そうして私はまた孫家でお世話になる事になり、ブルマさんに神龍が出したカプセルを渡され孫家へと戻った。



「またここに来るとは……」



今日からここは私の帰る場所。鼻の奥がツンとする。



「あ、そういえば。これって何なんですか?」



ブルマさんが渡してくれたカプセル。どうにも使い方が分からない。



「これはポイポイカプセルです。どうやらこの中には怜さんが使用していた物が入っているようです。」


「本当ですか!

見ても良いでしょうか……」


「もちろんですよ、ボタンを押して投げるだけです」



本当にこの小さいカプセルに私の使っていた物が入っているのだろうか……息を飲みカプセルのボタンを押して投げる。


BOM!!



「わあ、本当に……私の……」



カプセルから出てきたのは本当に私が使用していた物。



「沢山……とりあえず必要な物だけ……」


「そうですね、さすがに全部は入らなそうです……」



とりあえず必要な物だけを取りあとはカプセルに戻した。


今日からここに住むと実感し、不思議な気分になる。


私、うまくやっていけるのかな。

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