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□虚 無
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島に着き、気分を少し紛らしたくて
街へ出た。

もう夜。きっとあの人は他のヒトのところ

周囲には恋人がちらほら。

「船に戻ろう。」

引き返そうとした時だった。

私より少し年上。どこか落ち着いてる雰囲気の女性の手を引き店に入ってくあの人の姿。

上を見あげたらそこには“HOTEL”の文字。


「…っ」

私は船に走って戻った。

船には誰もいない。



「何回もみてるのに…慣れないな…。」


私がもっと汚れてたなら、傷つくこともこの虚無感に襲われることもなくて、

私がもっとずるかったなら同じコトもできて、

でも、私にとってあの人はただ1人で。

そんなこと考えてもどうしようもないのに。

また、この虚無感に耐える繰り返し

「ばっかみたい。」


─────end.
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