「おい、クソ松…」

ゆさゆさと揺らしながらそう声に出す。
かれこれ、2分ぐらい…
意外と疲れるんだけどー…

そう、クソ松…じゃなくてカラ松は寝起きが悪いのだ。
ぽかぽかな春も、
じりじりごうごう煩く溶けそうな夏も、
よくわからない秋も、
喉が痛い冬も、
カラ松はぐっすり。

カラ松だけはぐっすり。
・・・・・・

しかも寝起きの行動も悪いのだ。
せっかく起こしてあげたのに怒られたり、ぐずったり…二十数年の間手じゃ数えられないほど、ただでさえイラつくのに
カラ松にはイラつくエピソード寝起きバージョンがある。

赤色はお調子者
緑色は真面目そう
青色は寝起きが悪いらしい
紫色は近寄りづらい
黄色はヤバイ
桃色はあざとい
…とまぁ、そこらへんの人は噂しているほど寝起きが悪い。

まあ、俺だけが使える魔法の言葉がある。

「おい、カラ松兄さん…
起きなきゃキスしてやんねぇぞ…」

と耳元でボソボソ言うだけ。
ただ、すごく恥ずかしいのが欠点だ。
いつか、恥ずかしくなくなる!と思っていたい。

と考えていたらバッ!とカラ松が起き上がった。

「はぁ…いいぜ、ほら来いよ…」

というとカラ松の顔がせまってくる。
だから今日もそっと目をつむった。




(一松兄さんにキスする時のカラ松兄さんの顔ヤッバイよね〜!イタイイタイ!)
(あー!あれはヤバイよな〜!)
(あれぞ雄っすなー!!!)
(ちょっ、聞こえるよ〜!2人とも!しっ〜!)
(めんご!)
(めんゴー!)

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