貴方の声がする方へ
□ご褒美はドーナツ
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「そういえば信女さん、聞きましたか?
真選組の方々が幕臣に食事会に誘われたらしいんですが、それは罠で料理に毒が盛られてたらしいんですよ
怖いですねー」
見廻組の屯所の窓から外を見ながらそういう佐々木異三郎に、信女はチラリと目を向ける
「お姉様の事、心配じゃないんですか?」
「私が心配しなきゃいけないような相手じゃないわ」
自分の方をチラリとも見ない信女に、佐々木はふぅと息をつく
「たしかに、そうでしたね」
佐々木はそういうと、懐から封筒を取り出した
「信女さん、貴女に特別な仕事を頼みます
真選組に行き、奈落の化け猫の様子を見て来なさい」
「…………え?」
「心配せずともこの書状は松平公の直筆です
いくら見廻組の貴女といえど、この書状があれば真選組の方々も通さざるを得ないでしょう」
「異三郎、何を言って……」
「様子を見た証拠に写真を私の携帯に送ってください
写真が送られてくるまで、貴女には他の仕事させませんから
あ、あとこれ、ミスドーナツのクーポンです」
佐々木はそういうと信女に書状とクーポン券を手渡し、部屋を出て行った
「会いに行って、いいの?
ハクに」
信女はいつもより少しだけ明るい声で、1人そう呟いた
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