無神さんちの末っ子ちゃん

□家族が増えます
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「ほら、服脱いで
いつまでもそのまんまじゃ汚いでしょ、バンザーイ」

コウの言葉に大人しく従い、子供は服を脱がせてもらう

「………あれ」

「……?」

「君、女の子なの?」

子供の裸を見たコウの言葉に、子供はコクリと頷いた

「大変だ!ユーマくん絶対男の子の買って来ちゃうじゃんか!!
早く連絡しなきゃ!!」

コウはケータイを肩と右耳で挟み、ボディーソープをスポンジで泡だてながら電話をかけた

「ユーマくん!カールハインツ様の連れて来た子、女の子だった!!
間違っても男の子の子供服なんか買ってこないでね!」

『ハァ!?女!?……あそこに行けってのかよ……』

電話越しのユーマの声には覇気がない

きっとピンクやパステルカラーでいっぱいの女の子の子供服売り場の前だろう

190もある大男がそんなところで小さな女の子の服を探しているのを想像してしまう

「……捕まんないでね、ユーマくん」

『うっせぇ!!』

ブチっと乱暴に切れた電話にコウはクスリと笑う

「さてと、じゃあ君を洗うか
ジッとしててね」

ゴシゴシと身体を洗うと、砂汚れか、泡がすぐに茶色くなった

「一回水で流した方が早いか
目閉じて」

子供が目を両手で押さえたのを見たコウはザァーっと子供の頭からお湯をかけた

「そういえばさっきから全然喋んないね
声出ないの?」

コウの言葉に、子供は首を横に振る

「んー?
あ、分かった、牙が嫌なんでしょ」

子供は小さく頷いた

「ここにいるのはみんな君と同じ元人間のヴァンパイアだよ
ほら、オレも牙あるでしょ?いーっ」

「あ……」

「ね?一緒!
名前は確かユキって言ったっけ?」

「うん」

「じゃあユキ、さっさと身体洗って、ルキくんのご飯食べよ
すっごく美味しいからさ!」

ユキは大きく頷いた




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