サンシャイン★ドリーム
□MOVIX
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古いアメリカ映画『ウエイトサイド物語』がリバイバル上映される事になったので映画館デートに連れて来てもらった。
嬉しい!大好きな作品だから一回大きなスクリーンで見たかったんだよね。
「真実子コーラで良かったよな?」
「はい、ありがとうございます!」
背後からの声に、次に見たいSF映画のチラシを一枚取って振り向く。
清陽さんの持っているプラスチックトレーには飲み物が二つと山盛りのポップコーンが一つ乗っていた。
「ポップコーン…キャラメル味じゃない…」
「は?映画館でポップコーンっていったらソルトだろ」
「私は断然キャラメル派です。たまに入ってる塊が美味しいんです」
むぐっ
「塊ってなんだよ」
清陽さんは煩いとばかり、ポップコーンを数粒摘むと口を塞ぐように食べさせてくる。
あ、…美味しいかも。
「…………塩も悪くないですね」
「バーカ、『おいしいです』って言え」
「いたいいたいっ」
「開場ランプついた。行くぞ」
頬を引っ張られたり、優しく腕を引かれたり。戯れ合いながらゲートに向かった。